説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「テザリングのセキュリティって信頼できますか……?」という質問に答えます。
***
日本でiPhoneを扱う携帯キャリア各社は、iPhoneのセルラー回線を他のデバイスに開放する「テザリング」を認めています。この機能を有効化することにより、パソコンやタブレットなどのデバイスをiPhone経由でインターネットに接続できます。
iPhoneのテザリング機能は、Wi-FiとBluetooth、USB(Dock/Lightningケーブル)の3種の経路を選択できます。それぞれにメリット/デメリットがあるため、利用目的やそのときの状況にあわせて選ぶといいでしょう。
セキュリティ(この場合「通信の安全性」)という観点からは、Bluetoothがベストといえます。利用開始前には必ず「ペアリング」という登録作業が必要になるうえ、通信はアドホック(1対1)で行われるため、見知らぬ人のパソコンやタブレットが自分の回線を勝手に利用してしまう、ということがありません。通信速度は最大2Mbps程度とWi-FiやUSBに比べ見劣りしますが、消費電力の少なさという点ではBluetoothが有利です。USBはケーブルで接続すればどのパソコンでも利用できてしまうため、機器認証必須のBluetoothのほうがセキュリティでは上といえるでしょう。
Wi-Fiも通信内容が「WPA2-PSK」という方式で暗号化されるため安全性は保たれますが、iOSの仕様により、Wi-Fiに公開されるiPhoneのアクセスポイント名(SSID)を非表示にすることはできません。iPhoneのSSIDは、『設定』→「一般」→「情報」画面の「名前」欄に登録する文字列が利用されるため、ここに「○○のiPhone5s」などと自分の名前を入力してテザリングを有効にすると、他の人がWi-Fiアクセスポイントを選ぶときの接続候補に表示されてしまいます。これが気持ち悪いと感じるのならば、通信速度はいまひとつでもBluetoothで接続したほうがいいでしょう。