米国の野球サイト「MLB.com」は現地時間1月22日、ポスティングシステムを使ってメジャー移籍を目指していた楽天・田中将大選手がヤンキースと契約合意に至ったと発表。同サイトは、松井秀喜氏が今回の移籍劇に一役買っていることを紹介している。
松井氏直接のラブコールとビデオメッセージ
同サイトによると現地時間の1月8日、田中選手は身体検査を受けるために滞在していたロサンゼルスでヤンキース側と接触。代理人を務めるケーシー・クロース氏とともにヤンキースのランディ・レバイン球団社長やジョー・ジラルディ監督らと2時間半の会談を行ったという。
ブライアン・キャッシュマンGMによれば、席上ではヤンキースはどのようなチームで、どれだけ田中選手が加入してくれたらうれしいかを熱心に説明したほか、「奥の手」も投入。2003~2009年にヤンキースでプレーした松井秀喜氏によるビデオメッセージも、会談中に田中選手に見せたという。
その松井氏は直接、ニューヨークの自宅から田中選手に「ラブコール」をしていたことも明らかになった。松井氏は田中選手との会話において、伝統ある球団でプレーすることの意義などを説いたという。09年のワールドシリーズでMVPに輝いた偉大なOBからのメッセージは、ヤンキースにとっては強力な"援護射撃"となっただろう。
先発の3~4番手が濃厚か
ヤンキースは昨シーズン、先発の柱として長くチームを支えたアンディ・ペティット選手が引退。同選手以外で昨シーズンに二桁勝利を挙げたのは、安定感と防御率に優れる黒田博樹選手(11勝13敗)、5年連続10勝以上をマークしているC.C.サバシア選手(14勝13敗)の2人のみ。そのため、今シーズンに向けて投手補強が課題となっていた。田中選手はこの黒田、サバシアの両選手に続くイバン・ノバ選手(9勝6敗)と先発投手の3~4番手を担う可能性が濃厚だ。