角川アスキー総合研究所は1月22日、名古屋市内50カ所で携帯電話キャリア3社のiPhoneおよびAndroid端末の回線速度調査を実施し、その結果を発表した。同調査によると、NTTドコモの平均ダウンロード速度が最も速かったという。
同調査は、乗降客の多いJR、私鉄、地下鉄の主要駅、および多くの人が集まるビジネススポットや観光スポットを中心に測定したもの。調査期間は2014年1月9日から15日までで、土日祝をのぞいた平日4日間に行われた。調査時間帯は午前10時から午後12時、および午後13時から午後17時。調査に使用した端末はiPhoneは3社ともに「iPhone 5c」、Androidはドコモが「Xperia Z1f」、KDDI(au)が「Xperia Z1」、ソフトバンクモバイルが「AQUOS PHONE Xx 302SH」。
平均ダウンロード速度はドコモがトップに
名古屋市内50カ所の総合的な平均ダウンロード速度は、ドコモが29.37Mbpsでトップ。次いでauが24.40Mbps、ソフトバンクが20.84Mbpsという結果だった。機種別で見ると、ドコモのiPhone 5cがトップで34.91Mbps。2位のauの22.59Mbpsに10Mbps以上の大差をつけた。一方で、Androidはauが26.20Mbpsでトップ。次いでドコモ(23.82Mbps)、ソフトバンク(20.06Mbps)という順位だった。
また50カ所中、ドコモがトップとなったのは26カ所(iPhone 5cが20カ所、Androidが6カ所)と過半数を占め、また最も速いダウンロード速度109.70Mbpsを記録(サカエチカ クリスタル広場)したのも、ドコモのAndroid端末だった。
一方で平均アップロード速度については、ソフトバンクが10.51Mbpsでトップ。次いでauが10.45Mbps、ドコモが8.00Mbpsという結果。機種別のアップロード速度については、iPhone 5cはソフトバンクの11.31Mbpsがトップ、Androidはauの10.57Mbpsがトップとなっている。
なお平均アップロード速度では、ソフトバンクがトップとなっているが、最速だった計測地点の数では、ソフトバンクが19カ所(iPhone 5cが12カ所、Androidが7カ所)に対し、auが22カ所(iPhone 5cが9カ所、Androidが13カ所)と、auが上回っている。また、最も速いアップロード速度25.88Mbpsを記録したのは、ドコモのiPhone 5cだった(セントラルパーク 入り口前)。
今回の結果について同調査では、ダウンロード速度において、サカエチカや名古屋テレビ塔、オアシス21、サンシャイン栄、名古屋パルコ、松坂屋といった名古屋市内の主要な繁華街でドコモが優勢と分析。さらに、今回調査した地下鉄5駅すべてでauのダウンロード速度がトップだったことに触れ、「地下鉄駅ではauが強いという印象」としている。
なお、角川アスキー総研では、2013年11月に大阪市内50カ所で同様の調査を実施。同調査でもドコモがダウンロード速度において総合トップとなっている。ドコモは現在、東名阪において1.7GHz帯の周波数を利用する、ダウンロード速度が最大150MbpsとなるLTE通信回線の整備を進めている。前回、および今回の調査結果は、ドコモのエリア構築が着実に進んでいることを示すものと考えられるだろう。今後のさらなるサービスエリア拡大に期待したい。
(執筆:大石はるか)