左:とても意識的に取り組んでいたこと 右:毎日一緒にしていたこと

プレイフルラーニング~幼児の「遊びと学び」プロジェクトは、2013年12月13日~15日の期間、20歳代の社会人の子供を持つ全国の親1,040人を対象に、「子供の難関突破経験と子育ての実態に関する調査」を実施した。

難関突破経験者の親ほど遊びを重視

今回の調査では、高い学習意欲で大学受験や資格試験などを突破したり、憧れの職業に就いたりなど、何らかの分野で努力を実らせた者を「難関突破経験者」としている。まず、「難関突破経験を持つ子供の親と「難関突破経験を持たない子供の親」に、就学前の子育てで「とても意識して取り組んでいたこと」について尋ねた。

すると、難関突破経験者の親の35.8%は、「思いっきり遊ばせること」と回答。難関突破未経験者の親が「思いっきり遊ばせること」と回答した人は23.1%で、10ポイント以上の差が付いた。「毎日一緒にしていたこと」で、差が出たのは「一緒に遊ぶ」「絵本の読み聞かせをする」だった。

就学前の遊びは「自発性」がカギ!?

次に、「就学前の子供の遊ばせ方」に関する調査では、難関突破経験者の親のうち29.7%が「子供の思いや意欲を大切にして遊ばせるようにした」、28.8%が「遊びに対する子供の自発性を大事にした」を「よく当てはまる」と答えた。子供に遊びの主導権を渡す項目では、いずれも難関突破未経験者の親と比べて高い結果となった。

遊ばせ方の違い

難関突破経験者の親は「共有型」が多い

また、同調査の調査監修者で、お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生の研究によると、難関突破経験者の親の3人に2人が、子供自身が考える余地を与えるような援助的なサポートをする「共有型」であることが分かった。逆に難関突破未経験者の親の半分以上が、大人目線で介入し子供に指示を与える「強制型」スタイルだった。

次に、就学前の熱中体験について尋ねたところ、難関突破経験者の親の26.3%が「たくさんあった」と回答し、難関突破未破経験者の親を10ポイント上回った。

熱中体験の有無

また、熱中体験が小学校・中学校・高校でも持続しているか調べるために、「クラブ活動にどのくらい一生懸命取り組んだか」と尋ねたところ、難関突破経験者の親は「とても一生懸命」率が高く、逆に難関突破未経験者の親は高校で大きく減少している。内田先生は、「就学前の熱中体験が子供の意欲や頑張りぬく姿勢を育み、難関突破につながったのではないか」と考察している。