ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所・次世代育成研究室」では、子供をもつ母親1,460人を対象に、2013年1月に「第1回 幼児期の家庭教育調査・縦断調査」を実施した。
3歳~4歳に自己抑制力や協調性が発達
同調査は、3歳児期から小学1年生までの4年間にわたって、幼児期から小学校に入る期間の生活や意識の変化をとらえることを目的に、同一の子供について継続して調査を行うもの。今回は3歳児~4歳児の期間を対象に実施した。
調査は幼児期の学びとして、トイレや食事などの「生活習慣」、自己主張や抑制力、自分の気持ちを伝える「学びに向かう力」、文字や数の読み書きなどの「文字・数・思考」の3つの軸を設定して行った。調査の結果、3歳~4歳の時期にかけては、「自己抑制」「協調性」「がんばる力」が大きく発達する傾向が見られた。
各項目でのアップ率を見てみると、「自己抑制」は3歳児期は71.3%だが、4歳児期は79.9%。「協調性」は3歳児期は88.5%だが、4歳児期は94.0%。「がんばる力」は3歳児期は58.1%だが、4歳児期は62.9%だった。また、3歳児期に「生活習慣」(夜決まった時間に寝ることができる、脱いだ服を自分でたためるなど)を身につけることで、4歳児期での「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」の力が育っていくことが明らかになった。
子供の意欲を尊重する態度も影響
次に、保護者の態度が子供に及ぼす影響について調べたところ、3歳児期に保護者が「子供の意欲を尊重する態度」を取っている方が、4歳児期の「がんばる力」や「好奇心」が高くなっていることが分かった。これらの「学びに向かう力」がついている子供は、基本的学力や論理性が高くなっている。
さらに、3歳児期に保護者が子供の「思考を促(うなが)す」行動を取っているほど、4歳児期の「がんばる力」「好奇心」が高くなっていることも明らかとなった。保護者が3歳児期に「文字・数」への関心を促す行動をとっていると、4歳児期の「基本的学力」「論理性」も高くなる傾向も見られた。