日本政府観光局(以下、JNTO)はこのほど、2013年の訪日外国人数・出国日本人数(推計値)を発表した。それによると、2013年の訪日外国人数は前年比24.0%増の1,036万4,000人となり、政府目標としていた年間1,000万人を突破して、過去最高を記録した。

年間1,000万人を上回るのは1964年の統計開始以来、初めて。これまでの最高人数は2010年の861万1,000人だった。JNTOは要因として、円高の是正による旅行費用の割安感、7月より開始された東南アジア諸国の査証緩和措置、継続的なVJ(ビジット・ジャパン)事業による訪日プロモーション効果、LCCなど新規就航等による航空座席供給量の増加などを挙げている。

市場別に見ると、台湾が前年比50.8%増の221万800人、香港が同54.8%増の74万5,800人、タイが同74.0%増の45万3,600人、シンガポールが同33.1%増の18万9,200人、マレーシアが同35.6%増の17万6,500人、インドネシアが同34.8%増の13万6,800人、ベトナムが同53.0%増の8万4,400人、インドが同8.8%増の7万5,000人、豪州が同18.5%増の24万4,600人、フランスが同18.8%増の15万4,900人と、10カ国で過去最高を更新した。

訪日旅行者数が最も多かったのは韓国で前年比20.2%増の245万6,100人。2007年の260万694人に次いで過去2番目の数字を記録した。ただし、8月以降は放射能汚染水の風評被害や日韓関係の冷え込みが影響し、旅行者数の伸び率は減速した。

2013年 訪日外客数・出国日本人数(出典:日本政府観光局(JNTO)Webサイト)

中国は前年比7.8%減の131万4,500人で全体の3位。尖閣問題に端を発した日中関係の悪化により、2012年10月から2013年8月まで前年同月比で平均28%の減少が続いたものの、9月以降は日本に対する忌避感が薄れるとともに、プロモーション効果などもあり、前年同月比でプラスに転じた。

東南アジアは査証緩和の効果が大きく、訪日旅行者数は6市場合計で100万人を突破。また、欧米豪市場もフランスを中心に前年比10%台の伸びとなった。

一方、2013年の日本人出国者数は前年比5.5%減の1,747万3,000人となった。

JNTOは併せて2013年12月の訪日外国人数(推計値)を発表。それによると、12月の訪日外国人数は前年同月比25.4%増の86万5,000人となり、12月として過去最高を更新した。

市場別では、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、豪州、米国、フランスの11か国が12月として過去最高を記録。このうち、中国は前年同月比84.8%増の9万6,700人と、9月から4カ月連続で単月の過去最高を更新した。