お好み焼きと言えば大阪、大阪と言えばお好み焼きというのは、誰もが思うところ。しかし、実際に本場の大阪でお好み焼きを食べるとしたら、一体どの店に行けばいいのかよく分からないという人も少なくないはず。そこで、「大阪でお好み焼きを食べるなら押さえておきたい定番のお店」を紹介しよう。
行列のできる老舗店「美津の」
食い倒れの街、大阪・道頓堀にあるお好み焼き屋「美津の」は、店前に行列ができることも珍しくない大人気店。昭和20年(1945)、焼け野原となった大阪ミナミの街で、洋食焼きのお店としてスタートした老舗店だ。
洋食焼きとは、当時珍しかったソースを食べるために作り出されたお好み焼きの原型のようなもの。これをルーツとする同店の「美津の焼き」(1,365円)は、基本的には豚・イカ・エビ・貝柱・タコが入ったミックスお好み焼きだが、具材にミンチが入っているのが大きな特徴である。また、同店の不動の人気ナンバー1メニューが「山芋焼き」(1,575円)。粉を使わず100%山芋のみ使用したお好み焼きで、通常のお好み焼きにはないフワフワの食感が楽しめる一品だ。
●Information
美津の
住所:大阪市中央区道頓堀1-4-15
営業時間:11:00~22:00
定休日:年中無休
料金:「山芋焼き」(1,575円)、ほか
アクセス:地下鉄御堂筋線なんば駅から徒歩約5分
個室でくつろぎながら自分で焼ける「千日前はつせ」
なんば千日前通商店街のアーケード内にある「千日前はつせ」も、戦後間もない昭和20年創業の老舗店。旅館だった120坪の広い敷地を生かした店内は、2名用~40名用の大部屋まで全35の個室となっており、ゆったりとくつろぐことができる。
客自身が自分で焼く昔ながらのスタイルを貫いており、大量のキャベツに山イモや和風ダシと中華スープを配合し、3種の粉をミックスした生地は同店自慢のひとつ。これを中火でゆっくり焼くと、外はカリカリ中はしっとりとした食感のお好み焼きに仕上がる。また、ウスター系と甘口特濃系、2種類のオリジナルソースが用意されているのも同店の特徴で、まずウスター系ソースをかけ、最後に甘口ソースを塗ることで、しっかりとしたコクが生み出されるのだ。
●Information
千日前はつせ
住所:大阪府大阪市中央区難波千日前11-25 はつせビル2
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営業時間:平日11:30~24:00、土日祝11:00~24:00
定休日:年中無休
料金:「お好み焼き(ぶた)」(730円)、ほか
アクセス:地下鉄御堂筋線なんば駅から徒歩約3分
山芋のトッピングが名物のひとつ「つる家」
阪急梅田駅から東通商店街に入って左手に見えてくるのが、「大阪の味 お好み焼 つる家」と書かれた看板。こちらも戦後間もなくして創業した、50年以上の長い歴史を持つお店である。
同店名物のひとつが「山芋かけ」(890円)。ソースやマヨネーズではなく、トロトロの山芋がかかったあっさり醤油味のお好み焼きという、オリジナリティあふれる一品だ。豚、イカ、エビなどが入った人気のミックス焼きに山芋かけを追加した、「山芋ミックス」(1,365円)などもある。
●Information
大阪の味 お好み焼 つる家
住所:大阪市北区小松原町4-6
営業時間:11:00~22:30
定休日:不定休
料金:「ミックス焼き」(1,050円)、ほか
アクセス:阪急梅田駅から徒歩約5分
オリジナルな味わいのモダン焼きが人気「きじ本店」
阪急梅田駅ガード下にあり、リーズナブルな料金の定食屋や飲み屋が立ち並ぶ「新梅田食道街」。この中にあるお好み焼き屋「きじ本店」も、開店前から行列ができる超人気店。
同店の看板メニューとも言える人気の一品が「モダン焼き」(770円)。ソースで炒めた太めの焼きそばを、粉を使わず卵とダシだけで溶いた生地で包んだオムソバ風の仕上がりで、生地のサクサク感と太麺のモチモチ感が絶妙の味わいを楽しませてくれる。
●Information
きじ 本店
住所:大阪市北区角田町9-20 新梅田食道街内
営業時間:11:30~21:30
定休日:日曜
料金:「モダン焼き」(770円)、ほか
アクセス:阪急線梅田駅から徒歩約3分
今回は、大阪ミナミのなんば駅とキタの梅田駅それぞれから近く、予算的に贅沢(ぜいたく)派と大衆派のお店を1店ずつピックアップしたが、他にも名店・人気店はいくつかあるので、自身で食べ歩いて探してみるのもよさそうだ。しかし、少なくともここに挙げた4店は「大阪で一度は行っておくべきお好み焼き屋」として、押さえておいて間違いはないだろう。