既報の通りパナソニックは15日、同社ノートPC「Let'snote」シリーズの2014年春モデルを発表した。同日発表されたのは、光学ドライブを搭載した12.5型の世界最軽量級ハイブリッド・モバイル「Let'snote MX3」のほか、12.1型ドライブ搭載ノートPC「Let'snote SX3」、14型ノートPC「Let'snote LX3」、回転型の2in1 PC「Let'snote AX3」の計4シリーズ。いずれも1月24日(MX3は2月14日)より発売予定だ。

春モデルの詳細は別稿に譲るとして、本稿では、都内で行われたLet'snoteユーザー招待イベントの模様をお伝えする。この招待イベントでは、Let'snote MX3を始めとする発売前の新製品が会場内に所狭しと並べられ、招待されたLet'snoteユーザーが自由に製品を触ることができた。

会場に招待された一般ユーザーでにぎわう内覧会場の様子

Let'snote MX3の開発秘話が明かされる

イベントの冒頭、パナソニックITプロダクツ事業部の坂田厚志氏から新商品の概要が簡単に紹介された。その後、同社市場開発グループ商品企画チームの井上剛志氏を交えてトークセッションを開催。製品のより詳しい紹介が行われた。

井上氏は、新製品を開発した経緯について「ユーザーの意見を聞いた結果、我々が想像していた以上にタッチによる操作を日常的に行っていると感じた。また、DVDを読み込むデバイスの需要もあった」ためと説明した。

トークセッションを行う井上氏(写真左)と坂田氏(写真右)

新登場のLet'snote MX3シリーズは、12.5型以上のコンバーチブルPC(個人向けモデル)において世界最軽量となる、重量約1.198kgを実現。カーボン強化マグネシウムダイカスト合金(UHD合金)を本体内部のトップケースに採用し、また、発泡剤をカーボンで挟む3層サンドイッチ工法を天板用に新開発したことで、堅牢性を確保しつつ軽量化することに成功したという。

坂田氏は「設計者自らが協業メーカーさんのところにお邪魔して、一緒になって試行錯誤を繰り返した」と製品化までの苦労を明かした。

Let'snote MX3シリーズでは、新素材と新工法によって重量約1.198kgを実現。堅牢性も確保されている

耐100kg荷重の堅牢性をチェックするべく、MCの女性がLet'snoteの上に乗るパフォーマンスも行われた

トークセッションの後、新製品の内覧会が行われた。会場に招待された一般ユーザーは、新製品の使い心地を試していた。

こちらは14型液晶でタッチ非対応のLet'snote LX3シリーズ

こちらは12.1型Let'snote SX3シリーズのブラックモデル(Core i7搭載機)。

ユーザーとの意見交換会 - 「Let'snoteはまだ軽くなる」

内覧会場の一角では、坂田氏と井上氏が一般ユーザーと意見を交換する場が設けられた。ユーザーから「Let'snote MX3シリーズに付属している細いスタイラスペンが使いやすかった。他のシリーズにも同梱してほしい」という意見があり、井上氏は「新しい試みに関しては、正直なところ怖々やっている部分もあります。そういうお声をいただけると嬉しい」と笑顔になった。

ユーザーからは「他社のUltrabookは薄いが耐久性が気になることもある。Lets'noteシリーズの堅牢性には満足している」との感想や、「同じ丈夫さで、もっと軽いと良い」という意見もあがった。

これについて坂田氏は「現時点では『これが限界』というところまで軽くしています。ただ、新しい材料や新しい工法は日進月歩で進化するもの。協業のメーカーさんと一緒に、今後もどんどん軽くしていきたいです。やらなくてはいけないし、まだ軽くなると思います」と力強く回答した。

ユーザーからは「光学式ドライブは外付けにして、PC本体はできるだけ薄く軽くしてほしい」「軽ければ軽い方が嬉しい。光学式ドライブのないモデルなどを、ユーザーがカスタマイズできるようにしてほしい」という声も目立った。

井上氏は「企業のお客様の中には、光学式ドライブはいらない、と答える方もいます。ご意見、ご要望をもとに検討を進めていきます」、坂田氏は「今回は『光学式ドライブを搭載したLet'snoteを作るとこうなります』というコンセプトで開発しました。お客様から光学式ドライブはいらない、という声を多く頂くのであれば、そこに注力してやっていきたいです」と答えた。

一般ユーザーとの意見交換会に出席する井上氏(写真左)と坂田氏(写真右)

また「ディスプレイの部分が回転するコンバーチブルPCの性質上、ヒンジの強度が気になる。どのくらい試験をしているのか」との質問もあった。

坂田氏によればヒンジの軸は2つあり、角度によって入れ替わる構造だという。井上氏は「ふたつの軸それぞれに、何万回という試験を行っています。なので耐久性は絶対に大丈夫という自信があります」と太鼓判を押した。ちなみに左右均等の力でディスプレイを回転させるだけでなく、どちらかに偏った力が加わった状態も想定して入念に試験を行っているとのことだった。

「タブレットモードにしても、しっかり放熱されるのか」という質問に、坂田氏は「これまでも厳しい基準を課して製品化してきました。今後とも、さらに厳しい基準で製品化していきたいと思います」と回答。

「携帯通信事業者のLTEサービスに対応した店頭モデルを発売する考えはあるか」との質問には、井上氏が「その時その時でベストなものを取り込んでいきます。現在は利用パケット量に制限がなく、クレジットカードでオンライン決済できるWiMAXを採用していますが、将来はLTEに対応することもあり得ます。世の中の流れに沿いながら開発を進めていきます」と回答した。

イベントの最後にはスペシャル抽選会が開催され、当選者には同社ノベルティグッズなどが提供された。井上氏は「こうしたイベントで皆様の声を聞くのは、今後の糧になります。ありがとうございました」、坂田氏は「Let'snoteはお客様の声を聞きながら進化してきました。これからも色々な提案をいただきながら作り続けていく方針です」と挨拶して締めくくった。

最後にスペシャル抽選会が開催され、当選者にはパナソニックのノベルティなどが提供された