東京商工リサーチは14日、2013年(1~12月)の全国企業倒産状況を発表した。それによると、2013年に発生した負債額1,000万円以上の倒産件数は前年比10.4%減の1万855件となった。1万1,000件を下回るのは1991年(1万723件)以来、22年ぶり。

倒産件数が低水準となったのは、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じているほか、「中小企業金融円滑化法」の期限切れに伴い実施された中小企業金融モニタリング体制の効果などが要因だと分析している。

企業倒産年次推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

負債総額は前年比27.4%減の2兆7,823億円。2年ぶりに前年より減少し、1990年(1兆9,958億5,500万円)以来、23年ぶりに3兆円を下回った。負債1億円未満の倒産が70.3%に上り、小規模企業を中心に推移したという。

負債額上位5社を見ると、1位はカブトデコム(北海道・建築工事)の5,061億円、2位はアイティーエム証券(東京都・証券販売)の1,416億円、3位は広島県農林振興センター(広島県・植林業)の468億2,800万円、4位はウエストワンズ(兵庫県・ゴルフ場経営)の264億円、5位はインデックス(東京都・携帯端末向けコンテンツ・ゲーム制作)の246億200万円となった。

産業別倒産件数を調べたところ、全10産業のうち金融・保険業を除く9産業で前年を下回った。建設業は同19.3%減の2,421件、小売業は同1.6%減の1,408件、製造業は同5.5%減の1,690件、情報通信業は同11.2%減の450件、不動産業は同14.1%減の315件、サービス業他は同7.2%減の2,420件、卸売業は同12.7%減の1,561件、運輸業は同9.5%減の428件。このうち、建設業、製造業、卸売業、小売業、不動産業の5産業は、1994年以降の過去20年間で最少件数となった。

一方、金融・保険業は前年比18.9%増の69件と、2年連続で増加した。

地区別倒産件数は、全9地区のうち東北を除く8地区で前年を下回った。関東は前年比9.7%減の4,206件、近畿は同12.3%減の2,694件、中部は同4.7%減の1,488件、中国は同5.6%減の485件、九州は同13.0%減の774件、北海道は同23.1%減の351件、北陸は同14.8%減の298件、四国は同29.6%減の192件。このうち、北海道、関東、近畿、四国、九州の5地区は、1994年以降の過去20年間で最少だった。

他方、東北は前年比6.9%増の367件で、5年ぶりに前年を上回った。

金融円滑化法に基づく貸付条件変更後の倒産は456件で、前年の1.7倍に増加。原因別倒産件数は赤字累積などの「既往のシワ寄せ」が3年連続で増加した。また、東日本大震災が影響した「震災関連」倒産は332件で、前年比3割減となった。