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国立社会保障・人口問題研究所はこのほど、先進国における子供の幸福度に関する報告書を、ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所とまとめて公表した。「物質的豊かさ」や「健康と安全」などのジャンル別の順位がそれぞれ掲載されている。

総合順位トップはオランダ、日本は6位

報告書のタイトルは「レポートカード 11 先進国における子どもの幸福度-日本との比較 特別編集版」。2013年4月にイノチェンティ研究所がまとめた「レポートカード 11 先進国における子どもの幸福度」に、国立社会保障・人口問題研究所が提供した日本人のデータを加えたことで、総合評価や日本に関する考察も閲覧可能になった点が特徴だ。

まず、子供の幸福度に関する総合順位は、31か国中で6位とトップクラスだった。主な理由として、「教育」と「日常生活上のリスク」という2つのジャンルにおいて 1 位を獲得していることなどがあげられている。ちなみに、1位はオランダで、以下フィンランド、アイスランド、ノルウェー、 スウェーデンなどの北欧(ほくおう)諸国がランクインしているのがわかる。

子供の幸福度に関する総合順位表(一部抜粋)国立社会保障・人口問題研究所より

日本の子供の相対的貧困率は深刻

各ジャンルごとの順位を見ていくと、日本はかなりのばらつきがあることがわかる。

比較的低順位だったのは、「物質的豊かさ」(21位)と「健康と安全」(16位)。「相対的な所得の貧困」と「物質的剥奪」という2要素からなる「物質的豊かさ」では、世帯の可処分所得が中央値の50%未満という家庭で暮らす子供(0~17歳)の割合を示す相対的貧困率が、14.9%でトータル22位と低かった。報告書は「先進諸国の中でも子供の貧困率が最も高い国の1つであることを示している」としている。「健康と安全」ジャンルでは、乳児死亡率が4位だったものの、低出生体重児出生率が26位と下位に沈んでいた。

相対的貧困率は、先進国の中でも悪い数字となっている(一部抜粋)国立社会保障・人口問題研究所より

トップのジャンルは2つ

一方で、「日常生活上のリスク」と「教育」ジャンルは共に1位だった。

11、13、15 歳のBMI測定による肥満児の割合は、4.9%と31か国中最も低くてトップ。最下位の米国(29.4%)とは6倍の開きがある。そのほかにも、毎朝朝食をとる割合や週に1回以上飲酒している子供の割合もそれぞれ1位と、このジャンルの各構成要素は、のきなみ上位だった。また、就学前教育就学率や高等教育就学率、ニート率などの要素からなる「教育」ジャンルもトップで、日本の児童の教育面における充実さがうかがえる結果となっている。

毎朝朝食をとる子供の割合(一部抜粋)国立社会保障・人口問題研究所より

なお、詳細は国立社会保障・人口問題研究所でも確認できる。