文部科学省はこのほど、2012年度「子どもの学習費調査」の結果を発表した。それによると、幼稚園(3歳)から高校までの15年間をすべて私立に通った場合の学習費の総額(教育費、給食費、塾などの学校外活動費)は約1,677万円で、すべて公立に通った場合(約500万円)の3.36倍となった。
同調査の対象は、公立および私立の幼稚園、小学校、中学校、高校(全日制)に通う幼児・児童・生徒の保護者。1994年度以降、隔年で実施している。今回の調査期間は2012年4月1日~2013年3月31日、有効回答数は2万3,753人。
学習費総額の推移を見ると、公立では、幼稚園~高校のいずれにおいても前回と比べてほぼ横ばいに。一方、私立では、幼稚園と小学校で減少したものの、中学校と高校で増加し、このうち中学校で過去最高を更新した。
学習費総額を学校種別に見た場合、幼稚園は、公立が約23万円、私立が約48万7,000円で、差は2.1倍。小学校は、公立が約30万6,000円、私立が約142万2,000円で、差は4.7倍。中学校は、公立が約45万円、私立が約129万5,000円で、差は過去最大の2.9倍。高校は、公立が約38万6,000円、私立が約96万7,000円で、こちらも差は過去最大の2.5倍となった。
学習費総額における「教育費」、「給食費」および「学校外活動費」の構成比については、公立小学校・中学校において「学校外活動費」の構成比が高く、6割以上(小学校68.2%、中学校62.8%)を占めた。また、私立幼稚園、私立中学校および公私立高校では「教育費」が高く、私立幼稚園で69.8%、私立中学校で77.0%、私立高校で74.7%、公立高校で59.7%となった
学習費総額を学年別に見ると、最も高いのは私立小学校1年生の約170万5,000円。なお、公立では中学校3年生の約50万2,000円が最も多かった。
塾などの「学校外活動費」については、幼稚園では、公立が約8万1,000円、私立が約212万円。小学校では、公立が約20万9,000円、私立が約56万円。中学校では、公立が約28万3,000円、私立が約29万4,000円。高校では、公立が約15万6,000円、私立が約24万5,000円となった。
このうち「家庭教師費等」は、私立小学校が最も多く約3万7,000円。学年別では、中学受験を控える私立小学校6年生が約6万9,000円でトップとなり、中学校1年生と高校1年生を除く各学年で私立の方が多くなっていた。
「学習塾費」についても、私立小学校が約21万7,000円で最多。幼稚園、小学校、高校は私立の方が多かったのに対し、中学校は公立(約17万5,000円)の方が多かった。学年別では、私立小学校6年生の約41万円が最も多かった。