染付芙蓉手花盆文皿 有田窯 江戸時代・1660-1670年代 大阪市立東洋陶磁美術館 撮影/三好和義

サントリー美術館は25日~3月16日、「IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器」を開催する。

ヨーロッパを魅了した輸出用伊万里を中心に、約190作品を紹介

17世紀初頭、佐賀県の有田一帯で作られた日本で最初の磁器は、伊万里港から日本全国に流通し「伊万里焼」と呼ばれた。伊万里は、17世紀中頃からオランダ東インド会社によって世界各地にも輸出され、特にヨーロッパでは、高級実用品としてのみならず、宮殿や邸宅を彩る室内装飾として、王侯貴族の一つのステータスシンボルとなっていたという。

同展は、日本初公開となる大阪市立東洋陶磁美術館所蔵の輸出用伊万里を中心に、約190作品を紹介するものとなる。

色絵相撲人形(二組) 有田窯 江戸時代・1680-1710年代 大阪市立東洋陶磁美術館 撮影/三好和義

重要文化財 色絵花鳥文八角大壺 有田窯 江戸時代・1680-1710年代 サントリー美術館

展示は、伊万里のヨーロッパ輸出時代の幕開けを担った作品を紹介する「伊万里、世界へ 1660~1670年代」、伊万里が本格的にヨーロッパの地に浸透し、全盛を誇った時代の作品を展示する「世界を魅了したIMARI 1670~1690年代」、1690年代から1730年代までの、ヨーロッパの王侯貴族らを魅了した華美な作品群「ヨーロッパ王侯貴族の愛した絢爛豪華 1690~1730年代」、伊万里の輸出時代終焉に向かうまでの作品が観覧できる「輸出時代の終焉 1730~1750年代」の4つで構成される。

染付蒔絵鳥籠装飾付広口大瓶 有田窯 江戸時代・1690-1730年代 佐賀県立九州陶磁文化館

また、芙蓉手の写しや金襴手様式の伊万里など、東洋趣味のオランダ・デルフト陶器を紹介する小コーナー「IMARIとデルフト」を設ける。

会場は、サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)。会期は、1月25日~3月16日 10時~18時(金・土は10時~20時)。2月10日は20時まで開館。いずれも最終入館は30分前まで。休館日は、毎週火曜日。ただし2月11日は開館。なお、作品保護のため会期中、展示替えを行う場合がある。

入館料は、一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料など。その他、詳細は同館Webページで確認できる。