2013年は特に「スポーツの力」に注目が集まった年。この力は、ただ単に人々を感動させるだけではなく、困難な立場にある人を勇気づけ、そして物理的にも助けることができるもの。
各地でチャリティイベントは多く行われているが、特にスポーツによるものは、自分でもプレーし、楽しみ、その結果困難な立場の人の役に立つことから、改めてその力が見直され、たくさん開催されるようになっている。今回、2013年11月23日に池袋で開催されたフットサルイベント「World Bond-K Project‐東日本大震災復興支援&ミャンマー孤児院支援物資、チャリティープロジェクト」もその流れの中で行われた。
子供たちの笑顔をミャンマー、そして東日本大震災のために役立てたい
日本国内をはじめ、アジア各国のリーグで活躍するプロサッカー選手、吉野一基。現在はミャンマーナショナルチーム初の日本人選手としてプレーを続けている彼が、立ち上げたのが「World Bond-K Project」だ。これはミャンマーという多民族、多信仰国家でプレーしたことで、かの国の子供たちの生活状況を目の当たりにし、自分ができることを模索したことから始まったプロジェクトだ。
今回池袋で行われたイベントは、ミャンマーの支援のほかに、東日本大震災のチャリティーも兼ね、参加費などが支援に充てられることになった。
楽しくも真剣な雰囲気に賛同する企業も多数
さてイベントは近隣のU-12以下のフットサルクラブが6チームと、フットサルのプロリーグであるFリーグなどでも活躍する選手が終結。チーム総当たりで戦う「リーグ戦」や、Fリーグ選手などが子供たちと対戦する「スペシャルマッチ」、さらにはプロ選手と父兄が対戦する「保護者マッチ」とプログラムは盛りだくさん。真剣さと楽しい雰囲気がまじり合った熱気の中、応援のお母さんたちも巻き込んで、終始歓声が途切れないゲームになった。
チャリティーとはいえ、堅苦しくなく参加者自身も心から楽しめるのがスポーツイベントの素晴らしいところ。そのため、このなんとも楽しい雰囲気をサポートする企業も数多く集まっていた。そのひとつが中国語の語学学習教材を専門的に開発・販売している、株式会社WEIC(ウェイク)だ。
震災の復興、ミャンマーへの支援という部分に賛同したこともあるが、吉野選手のように「国際的に活躍できる選手を育成するためには語学力が必要」という観点から、子供たちのイベントをサポートしたという。WEICの太田さんは次のように語ってくれた。
「海外で活躍するためには語学力は必須だと考えています。私たちは主にビジネスパーソン向けの中国語、英語の教材を取り扱っていますが、子供のころから外国語に触れることができれば、大人よりも習得は早いと思います。サッカーだけでもコミュニケーションはできると思いますが、プラス語学力があればさらに深くつながることもできると思います。このイベントから国際的に活躍する、そんな選手が出たらうれしいですね」
WEICでは大会協賛のほか、授業料の一部を支援金に充てるなどのサポートを今後も続けていく予定だという。
ゲームとは違った緊張感(?)で行われたじゃんけん大会
各チームの対戦が終わったあとは、元日本代表である田中達也選手のスパイクなど、豪華な賞品が当たる「じゃんけん大会」へ。さっきのゲームとはまた違った緊張感の中で行われ、なかにはじゃんけんに負けて泣いてしまう子供の姿も。
今回は「World Bond-K Project」第1回目のイベントだったが、参加者が楽しみながら支援をしていくこのプロジェクトは続けられていく予定。前出のWEICをはじめ多くの企業もまた、ミャンマーのため、震災復興のため、そして未来のサッカー選手育成のために、これからもサポートを続けていく。
(今雄飛)