コンビニエンスストアの淹れたてコーヒーが人気となっているが、その先駆けともいえるのが2005年5月にスリーエフがファストフード強化型の実験店舗「gooz」(グーツ)にて開始した「gooz COFFEE」(グーツカフェ)だろう。元祖コンビニの淹れたてコーヒーは、どのような目的やコンセプトを持って始まったのか、スリーエフの広報に尋ねてみた。
goozは、従来のコンビニに不足している"出来立て感"を訴求する店舗として、ベーカリー・弁当・おにぎり・惣菜などのファストフード(FF)を店内調理して提供するFF強化型フォーマット。2004年2月に第1号の「いちょう並木通り店」(横浜市中区)がオープンし、立地別のメニュー開発といった実験も行われながら現在は4店舗を展開中。ご飯の種類や総菜などを自分で選べる「セレクトランチ」(550円)や、焼きたてパン、おにぎりなどが好評とのこと。
gooz COFFEEは、この業態に淹れたてコーヒーが必要な商品だとして2005年5月に導入。本格ドリップ抽出、多数のストレート、ブレンドコーヒーなどから好みのテイストが選べ、オリジナルブレンドも作れるサービスを提供している。また、今までの日本にないコーヒーの提供方法として、2011年2月にビジネスモデル特許も取得した。
現在のコンビニ業界で淹れたてコーヒーが人気となっている事に関して同社広報は、「コンビニの新しいサービスは、多くのチェーンが展開することで『コンビニに行けば~がある(できる)』という形で定着します。そういう意味で、コンビニには"淹れたてコーヒー"があるという一般の認識になるので、スリーエフにとってマイナスではありません」とコメント。そして、コーヒーは嗜好食品なので、gooz COFFEEのように自分好みのコーヒーが作って飲めるという特徴・メリットに気がつき、スリーエフが選ばれるようにその特徴を訴求していくとしている。
なお、スリーエフではgoozの他にも、FFに加えてFD(フレッシュデイリー: 生鮮・日配商品)を強化したフォーマット店舗「q's mart」(キュウズマート)12店舗を展開している。今後の方針に関しては、goozにおいて季節の果物などを使用したパン、お弁当の魚メニューの充実、住宅立地店舗でフライや天ぷらなどの惣菜の充実、高速道路PA店舗で地元商材を使ったホットスナックの開発などを実施。q's martでは調味料や日用雑貨、袋菓子や低価格飲料などミニスーパー的な品揃えを目指すという。今後もgoozとq's martの試みに期待しよう。