SBI証券は9日、外資系証券会社と国内運用会社を対象に実施した、2014年の日本株式市場に関するアンケート調査の結果を発表した。
2014年の株式相場の注目点としては、「設備投資」「円安」「内需拡大(雇用環境の改善が消費へ波及-デフレ脱却)」「日銀の追加金融緩和」などが挙げられた。また、「欧米株式市場(景気)の回復」「米量的緩和縮小時期」などの意見も見られ、各国の金融政策と日銀のさらなる金融緩和に期待が集まっていることがわかった。
このほか、少額投資非課税制度(NISA)を始める個人投資家や、2014年に先送りされた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に注目する会社もあった。一方、経済特区などの成長戦略に注目する会社は見られなかった。
2014年の注目テーマについては、2020年東京五輪決定の影響からか、「カジノ」「東京の都市再生」などが寄せられた。注目の業種としては、機械、商社、不動産、エンタテインメント、エネルギー、銘柄では、JFEやキヤノンなどが挙げられた。
"相場の福の神"ことSBI証券アナリストの藤本誠之氏は、日銀による金融緩和について、「日本株ETFやJ-REITの買いを増額させることになり、政府による経済対策の発表と、日銀の緩和が揃って出てくれば、株式市場は『アベノミクス第2幕』といった受け止め方をする」と予想。消費増税後の4月に消費が大きく落ち込まなければ、株高は再び加速すると見ており、反対に消費が落ち込んだ場合でも、政府による経済対策などの対応策が残っているため、挽回できると考えているという。
なお、不満の声がある"第3の矢"といわれる成長戦略については、4月の消費増税を考えれば「まだ打つ手が残っている」と前向きに評価している。
2014年の日経平均の展望については、アベノミクス相場の第2弾の堅調相場を期待する声が大きい。堅調相場の理由としては、「営業レバレッジは日本が最大。1%の売上増が3%の増益につながる(欧米では1%)」「円安の進行は、今後も日本企業の増益要因」「株価は依然割安。6割以上の企業の株価は『実質』PBR1倍未満で取引されている」などの意見が寄せられた。
平均株価の予想は、高値で2万円以上、このほか、1万8,000円~2万円、1万6,000円~1万8,000円などとなった。
藤本氏は、「2014年はロケットスタートで始まり、6月、7月には日経平均株価で1万8,000円から2万円の高値を目指す展開になろう」と予測。特に、2014年1月に始まったNISAによって、個人投資家の投資意欲が高まり、個人投資家が好みそうな「高配当利回り」「株主優待に優れた企業」などに注目が集まると見込み、「NISA口座での個人投資家と新年度入りの外国人投資家の買いが期待できる」としている。