東京商工リサーチは6日、2013年12月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産(以下、円滑化法関連倒産)動向(速報値)を発表した。

それによると、2013年12月27日現在の円滑化法関連倒産件数は18件で、1年4カ月ぶりに20件を下回った。ただし、2013年の年間累計(1~12月)は451件に達し、前年同期の256件に比べて76.1%増で推移している。

円滑化法関連倒産月次推移

12月の負債総額は前年同月比69.0%減の55億4,200万円と、2カ月連続で100億円を下回った。負債10億円以上の大型倒産が1件(前年同月6件)にとどまったことが影響した。

産業別に見ると、卸売業が6件(前年同月3件)で最多。以下、製造業3件(同8件)、建設業・運輸業・サービス業他が各2件、小売業・不動産業・情報通信業が各1件と続いた。従業員数別では、5人未満が9件(同5件)で最も多かった。

2013年の円滑化法関連倒産件数は前年比約8割増の451件。東京商工リサーチは「上向いた景気の動きが、中小企業の隅々までには波及していない現状を反映した」と分析している。

負債額別に見ると、1億円以上5億円未満が221件(前年124件)でトップ。また、5,000万円未満の小規模・零細企業も52件(同23件)と前年より2.2倍に増えた。

原因別では、販売不振が最も多く253件(前年144件)。このほか、既往のシワ寄せ(赤字累積)も98件(同49件)と倍増し、業績回復の遅れで息切れする企業が多かったことが推測できる。