いろいろあった2013年も気がつけばあっという間に過ぎ、2014年が明けた。Windows 8.1については様々な評価があるものの、やはりIT業界においてMicrosoftは大きな存在だ。そこで今年1年間、Microsoftおよび日本マイクロソフトに関連するイベントを予測してみる。IT業界を取り巻く現状を踏まえてはいるが、あくまでも推測の域を超えるものではない。当たり外れは気にせず、"正月の余興"として楽しんでほしい。

1月 - Microsoft新CEOが決定する(かも)

紆余曲折の感がある新CEOの選定だ。当初の予定では2013年内に決定していたはずだったが、2014年早期に延期された。執筆時点でCEO候補に挙がっているのは、NOKIA CEOのStephen Elop (スティーブン・エロップ)氏、Ford Motor CEOのAlan Mulally (アラン・ムラリー)氏といった外部の大物。加えて、Microsoft社内からはCOOのKevin Turner (ケビン・ターナー)氏の名前が聞こえている。

経営のプロがCEOの席に着くのであれば、正直なところ大きな変革は期待できないだろう。投資家なども巻き込んだ多様な意思が絡むCEOレース。願わくば同社最大の財産といえる大勢の開発者を活かし、パーソナルコンピューターの文化を担う企業を目指す人物がCEOの席に着いてほしい。

Microsoft CEOを退任するSteve Ballmer氏と再建請負人の異名を持つAlan Mulally氏 (2012年9月NOKIAの新製品発表会)

2~3月 - Office 2013 Service Pack 1のリリース

Office 2013 Service Pack 1のリリースは、2014年の早い時期が予定されている。現時点でわかっている範囲では、Windows Server 2012 R2との互換性や、各アプリケーションの機能を向上させるという。さらにExchange Server 2013 Service Pack 1のリリースも復活するようだ。月額課金型のOffice 365でもメッセージの暗号化をサポートし、安全性を高めるという話が出ている。

現行のOffice 2013

4月 - Windows XPとOffice 2003のサポート終了

日本マイクロソフトが大々的にアピールしているとおり、4月8日はWindows XPおよびOffice 2003のサポート終了日。2015年におけるビッグイベントの一つである。思い返してみれば、Windows XPがリリースされたのは2001年10月25日 (パッケージ販売は11月16日)、Office 2003は2003年9月1日 (同10月24日)と10年以上も前の話。当時生まれた子どもは中学校に入学する計算となる。

間もなく役目を終えるWindows XP

5月 - Windows 8.1 Update 1の提供

2014年春から2014年第2四半期に、Windows 8.1 Update 1 (仮称)のリリースが予定されている。内容は明らかにされていないが、昨年Steve Ballmer氏がBuild 2013で述べた「Rapid Release」により、早期のOSアップデートを実施するようだ。当初は「Spring 2014 GDR」というコード名で呼ばれ、海外の情報筋は2014年春頃のリリースを予想している。

それを裏付けるイベントが開発者向けカンファレンスである「Build 2014」だ。今年は4月2日から4日の3日間、サンフランシスコで開催される。そのタイミングで発表し、そして当日もしくは1カ月後程度でリリースされるとみるのが固い線だろう。

4月2日から3日間開催される「Build 2014」

6月 - Surface Miniのリリース

8インチクラスのWindows 8.xタブレットの人気が沸騰しつつあるが、メトロUIを作り出したMicrosoftが自社製のミニタブレットでこの市場への参入を試みるのは自然の流れだ。以前から「Surface Mini」という名で話題に上り、7~8インチのモデルをリリースすると噂されている。

ただし、Nokia買収によるハードウェア開発チームの再編や、新CEOの方針が現時点ではわからないため、この時期にSurface Miniがリリースされるとは断言できない。後述する第3世代Surfaceとリリースタイミングを合わせる可能性もある。

各社のWindows 8.1搭載タブレット

7~8月 - Kinect for Windows v2が登場

NUI (ナチュラルユーザーインターフェース)を実現するKinectは、Xboxシリーズのコントローラーに限らず、Microsoftの戦略における重要な位置を占めている。Xbox Oneの関係者によるとXbox Oneと新Kinectは別ラインで動いており、リリースタイミングは異なるという。

その関係者によれば、SDKの完成度アップなど順調にプロジェクトが進めば、今年中にKinect for Windows v2を手にできる可能性があるそうだ。価格は初代モデルよりも数千円ほどアップすると筆者は推測している。

開発者に提供されるKinect for Windows v2のプレビューキット

9~10月 - Xbox OneはTGSで日本国内投入

昨年11月にリリースされたXbox Oneだが、日本は"第2市場"に分類されているため、いまだ手にすることはできない。ライバルのPlayStation 4は2月22日がリリース予定日となっているが、Xbox Oneの国内展開に関して日本マイクロソフト関係者の口は堅い。

タイミングだけみれば、6月に開催予定のE3か、例年9~10月に開催している東京ゲームショー(TGS)での発表がベストだろう。ただし、Xbox Oneにはテレビ放送と連動したオーバーレイ表示など、日本国内に馴染まない機能もあるため、タイミングがずれ込む可能性もある。

Xbox Oneの右にいる人物はMicrosoftを退社したDon Mattrick氏

ライバルとなるPlayStation 4は2月に国内発売

10月 - Broadwell搭載版のSurface Pro投入

Surface RT 2およびSurface Pro 2は米国で2013年10月21日に発売され、日本ではその4日後の10月25日に発売された。この流れから「Surface Pro 3」と呼ばれる(か不明だが)新モデルは10月に発売されるとみるのが自然だ。

ただし、Windows 8.1 Update 1 (仮称)がスケジュールどおりリリースされることが前提となる。また、Surface Pro 3がさらなる市場を開拓するためには、よりグレードアップしたハードウェア構成が必要だ。CPUには次世代のIntel CoreであるBroadwellが搭載されるだろう。

Intelから今年リリース予定の「Broadwell」

昨年リリースされた「Surface Pro 2」

2015年 - 次期Windows OSが春に登場!?

現在Microsoftは、次期Windows OSとして「Threshold (スレッショルド)」の開発を行っている。2015年春頃にリリースされるという線が濃厚だが、ポイントはどのタイミングで我々が開発中のThresholdを目にすることができるかだ。

Windows 8の場合、2011年1月に開発中であることを認め、同年9月にDeveloper Previewをリリース。2012年2月にConsumer Preview、同年6月にRelease Previewを公開した。そして同年10月にリリースされている。

この日時をThresholdに当てはめ、2015年4月をリリースタイミングと仮定すれば、ある程度ベースが完成したConsumer Preview相当は2014年8月に公開されるはずだ。だが、そもそも執筆時点でMicrosoftはThresholdの存在を認めていない。もし、同社がプレビュー版の配布を予定していれば、今年中に目にすることができるだろう。

OSの最高責任者であるTerry Myerson氏。「Threshold」の出来は彼次第だ

阿久津良和(Cactus)