国内でも「050 plus」や「SMARTalk」などのスマートフォン向けIP電話アプリが注目を集めているが、無料通話アプリの老舗としても知られる「Viber」が、格安の通話料で固定・携帯電話に通話発信できる「Viber Out」という有料通話機能を提供開始している。単純な通話料の比較では050 plusなどよりも安く、国内サービスの強力なライバルとなりそうだ。本稿では、Viber Outの特徴や注意点などについて紹介していきたい。
Viberは、イスラエルに拠点を置くViber Mediaが提供するスマートフォン向け無料通話アプリ。「LINE」や「カカオトーク」などと同ジャンルのアプリで、無料通話のほか、有料・無料のスタンプを送信できるテキストチャット機能も備えている。iPhoneアプリが登場したのはLINEなどよりも早く、世界的な人気アプリのひとつとなっており、iPhone、Android、Windows Phone、BlackBerry向けアプリのほか、Windows/Macのデスクトップ版も提供されている。
無料通話ができる仕組みはLINEなどと同様で、初回起動時に電話番号を登録し、端末の電話帳データをサーバーに送信することで、Viberを利用しているユーザーが一覧表示され、アプリ同士で無料通話が可能になる。そのため、これまでViberで通話できる相手は、Viberを利用しているスマートフォンユーザーに限られていた。
iPhone、Android向けの最新版Viberに追加されたのが有料通話機能のViber Outで、あらかじめチャージしておいた通話料を使うことで、固定・携帯電話の電話番号に通話発信することが可能。通話料のチャージは、App StoreやGoogle Playを経由したアプリ内課金で決済でき、金額も100円、500円などと少額からチャージできるのが特徴(Google Playの場合、103円、518円と金額が少し異なる)。国内のIP電話アプリなどの場合、申込時に事業者へのクレジットカードの登録が必須となっているため敷居が高いが、その点、Viberは"気軽に試す"といったことができそうだ。
App StoreやGoogle Playによるアプリ内課金で通話料をチャージできる |
Viber Outによる通話履歴で通話料も確認できる |
執筆時現在のレートでは、通話料は固定電話宛2.72円/分、携帯電話宛15.59円/分 |
Viber Outの通話料は、日本国内の固定電話宛が2.6セント/分、携帯電話宛が14.9セント/分となる。アプリ内で確認できるレート換算によれば、執筆時現在、日本円でそれぞれ2.72円/分、15.59円/分。たとえば、IP電話アプリの050 plusの場合、固定電話宛が8.4円/3分、携帯電話宛が16.8円/分となっているため、Viberのほうが通話料が安いことがわかる。