2013年のアニメ業界を驚かせたトップニュースといえば、やはりスタジオジブリ・宮崎駿監督の引退宣言だろう。宮崎作品が見られなくなるのは寂しいことだが、公開からわずか2カ月で興行収入19億円を突破した『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』のように、新たな人気作が続々と生まれている。2013年はほかにも『機動戦士ガンダムUC』や『攻殻機動隊ARISE』はもちろん、ルパンとコナン登場する『映画 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』、ジブリ監督対決ともいえる『かぐや姫の物語』などの注目作が目白押しだった。そこで今回はマイナビニュース会員の男性500名(合計男女1,000名)に「2013年公開のアニメ・特撮映画で面白かった作品」を聞いてみた。
Q.2013年公開のアニメ・特撮映画でもっとも面白かった作品は?(複数回答)
1位:『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』(29.2%)
2位:『風立ちぬ』(28.8%)
3位:『映画 ドラゴンボールZ 神と神』(11.0%)
4位:『映画 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』(9.7%)
5位:『かぐや姫の物語』(5.9%)
6位:『攻殻機動隊ARISE』(5.6%)
7位:『機動戦士ガンダムUC episode6 「宇宙(そら)と地球(ほし)と」』(5.4%)
8位:『モンスターズ・ユニバーシティ』(5.0%)
9位:『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(4.2%)
10位:『劇場版 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-』(3.4%)
次点:『劇場版 シュタインズゲート 負荷領域のデジャヴ』(2.1%)
2012の同ランキングで3位にランクインした『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』が見事1位に。深夜アニメ原作の劇場版として興行収入トップだった『けいおん!』を抜き、19億3,000万円を突破した。「新編」と名付けられた通り完全新作となっており、「まったく先が読めない展開に衝撃を受けた」(29歳/情報・IT/技術職)、「いい意味で予想を裏切られた」(25歳/運輸・倉庫/技術職)という声が多く寄せられた。2位となったジブリ作品『風立ちぬ』を抑えての1位となったが、絵コンテ数もジブリ最多の『もののけ姫』1,676カットを超える2,300カットになっている。
2位はジブリ映画『風立ちぬ』。宮崎駿監督の「最後」の長編アニメだということもあり、興行収入120億円を超える大ヒットを記録した。「夢を持ち努力する主人公に自分を重ねて、最近あきらめることの多い夢を持ち続けて進まないといけないと思った」(31歳/学校・教育関連/営業職)という意見があったように、夢を追い続ける男の物語。ラブストーリーとしてのイメージも強いが、男性にとっては「クリエイターの業を正直に描いた点に感動」(31歳/マスコミ・広告/事務系専門職)できる作品になっている。3位は不朽の名作『ドラゴンボールZ』の劇場版アニメ。前作から17年ぶりとなった劇場作品には、30代、40代以上からの支持も多く寄せられた。鳥山明が脚本から関わり、連載当時のようなコメディも描かれた作品を「懐かしさもあり、笑いもあり、楽しかった」(27歳/小売店/販売職・サービス系)という気持ちで見た人が多いようだ。
4位の『映画 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』は女性編では7位、6位の『攻殻機動隊ARISE』は同8位、7位『機動戦士ガンダムUC episode6 「宇宙(そら)と地球(ほし)と」』は圏外と、当然ながら男性編ではランキングに。『劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』が女性版で5位にランクインしているのに対して、男性版では圏外という点も特徴的な違いだろう。
総評
2013年アニメ・特撮映画の興行収入でぶっちぎり1位を記録した『風立ちぬ』を抑え、ランキング1位を獲得した『まどマギ』はまさに快挙。定番モノやゴールデンタイムの作品だけでなく、深夜帯の大人向け作品が評価されることでアニメ業界はさらなる広がりを見せるだろう。ジブリ作品や『ドラゴンボールZ』、『名探偵コナン』などの定番人気作に交じって、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『とある魔術の禁書目録』がランクインしている点も、アニメの多様化とクオリティ向上を印象づけた。
2014年にはスタジオジブリの『思い出のマーニー』、ミリタリー萌えの『ガールズ&パンツァー』の公開も決定。さらに『宇宙戦艦ヤマト2199』、『ガンダムUC』など昔ながらのファンも多い作品の上映も控えている。どの映画を見るか、どんな作品が人気を得るか、楽しみな年になりそうだ。
調査時期:2013年12月6日~12月13日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:男女1,000名
調査方法:インターネットログイン式アンケート