ライブに行くのが好き。そんな人は多いことだろう。また、行くだけでなく自分たちでバンドをやっていた。そんな人もまた少なからずいるだろう。だが、学生時代にバンドを組んでいたものの、気がつけば一般のサラリーマン。夜遅くまでただただ働いている。そして「特に披露する機会もないし、周りもそんなに興味を示してくれはしないだろう……、今更バンドなんて……」と考えている人が多いのではないだろうか。そこで、普段会社では地味キャラな私が、社員の前でバンド演奏をしたら果たして盛り上がるのか。忘年会で実際に試してみることにした。
会場に合わせた機材を手配
そもそもバンド演奏を披露するためには事前準備が必要だ。まずは酒の席で上司に直談判。意外にもすんなり許可を得ることができた。ただ、今年の忘年会の会場は既に決まっていて、もちろんバンド用の機材などは用意されていない。しかもホテルの宴会場で、他の会場に響くようなドラムはNGとのこと。当然ながら機材一式なんて私は持っていない。悩んだ挙句、音量調節が可能な電子ドラム「Vドラム」や軽量なシンセサイザー、各種アンプをローランドからお借りした。(※今回は特別にお借りしたものであり、通常機材の貸し出しは行っていません)
ローランドのアンプと言えばJC-120等のイメージが強いが、今回は持ち運びのしやすさを考慮し、比較的小型のアンプを数台お貸出しいただいた。今回の目的である盛り上がりという点では少々不安が残る気もするが、ここまできたらやってみるしかない。過去にバンドをやっていたという社員を集め、いざ忘年会の会場へ!
今回お借りした主な機材はこちら。
と、ここで借りている機材を伝えていなかったバンドメンバー達からの声が。 「あれ、アンプ小さくない? 」 「これでちゃんといい音出るの? 」 「忘年会とはいえ、やるならクオリティ高くしたいよね」などの意見が……。 確かに実際に届いた機材を見てみると、普段のスタジオやライブハウスで目にするものと比べて明らかに小さい。そしてホテルの会場は思ったよりも広い。もしかするとアンプの選択ミスだったのだろうか……。
不安そうな周囲の目を気にしつつも、全員で音を出してみる。
…………
「めっちゃ音いいな。さすがローランド。」 ころころ意見の変わるメンバーである。
「音大きすぎるからもっと下げて。」 150名規模の広さの会場なのに、早めにきていた上司に怒られてしまったくらいだ。
学生時代に格安で買って自宅に置いていた小型のアンプとそれほど見た目は変わらないので、同じような音の出具合かと考えていたが、ボリューム、音質ともにまるで違う……!申し分ない。私の技術は進化していないが、アンプの性能は時代とともに進化しているようだ。
予想以上の盛り上がり! 果たして会場の反応は……!?
私たちの出番の前には他の社員の出し物が展開されていた。社員を登場させたオモシロ動画や、事前に取得した社員アンケートによる人気ランキングの発表等、非常に盛り上がりやすい企画だ。その中でのガチバンド演奏、果たして会場の反応は……ステージに向かう直前までのメンバーの不安と後悔の心境をお察しいただけるだろうか。そんな気持ちでステージに立つと、なんと予想以上の歓声に迎えられた。演奏が始まり、更に盛り上がる会場。今回の企画ではっきりしたが、どうやら一般の会社であってもバンドのウケは予想以上に良いようだ。
普段地味キャラな私でも盛り上がってもらえる、そして小型の機材も大きく進歩している今、是非皆さんも新年会や結婚式など、大勢の集まる場で積極的にバンド演奏を披露して会場を盛り上げてみてほしい。