いまや外来語として広く認知されている「デジタル」という英語は、ラテン語の「digitus(指)」に由来している。指折り数えるものという意味合いだが、現在でいうデジタルはすべての数値を1と0で表現する2進数を意味する。デジタルは0か1か、すなわち有か無かの単純な組み合わせで表現でき、コンピュータの演算処理における出発点だ。文字にせよ画像にせよ音声にせよ、iPhoneが扱うすべてのデータもデジタルで表現されている。
iOSには多数の設定項目があり、その大半はスイッチを左右に動かすことで有効(オン)か無効(オフ)かを決定する。必ずどちらか一方を選択するため、その機能が必要なのか不要なのか、人間がわかりやすいというだけでなく、デジタルで成り立つiPhoneのシステムにも好都合なのだ。
しかし、『設定』に多数あるスイッチは、右側にあるときはオンで緑色、左側にあるときはオフで白色だが、あまりにたくさん並んでいる。どちらがオンでどちらがオフか、一瞬迷いが生じたとしても無理はない。iPhoneを使いはじめのユーザにとってはなおさらだろう。
そこで利用したいのが、アクセシビリティ機能のひとつ「オン/オフラベル」だ。このスイッチをオンにすると、すべてのスイッチは緑/白の色分けにくわえ、オンのとき「|」、オフのとき「○」が重ねて表示される。「|」は「1」(真)に、「○」は「0」(偽)にそれぞれ似ているため、2進数に通じた人はいっそう迷いがなくなるはずだ。