NTTドコモが12月7日に発売を開始した「SH-01F DRAGON QUEST」(シャープ製)は、大人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」とのコラボモデルだ。「メタルスライム」をモチーフにしたメタルボディには本機種でしか楽しめない限定アプリを多数搭載しており、ファン垂涎の必携スマホに仕上がっている。本稿でその魅力を紹介していこう。

ドラクエとコラボしたモデル、SH-01F DRAGON QUEST。3万台の限定販売となる

ドラクエスマホは、NTTドコモの2013年冬モデル「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」をベースにしたハイスペックモデルだ。5インチフルHD(1080×1920ドット)IGZO液晶ディスプレイを搭載し、背面のメインカメラは1630万画素、前面のインカメラは210万画素。CPUは2.2GHz・クアッドコアで、内蔵メモリは2GB/32GB(RAM/ROM)。本体サイズは約141×70×8.9mm、重さは約139g。機能面ではフルセグ、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、GPS、Bluetooth 4.0、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)などを搭載。通信面ではクワッドバンドLTEに対応し、下り最大150Mbps/ 上り最大50Mbpsの高速通信「Xi」が利用可能だ。

公式サイトのスペック表にも記載されている通り、ボディカラーは"メタルスライム"となっている。これは「冒険者たちがメタルスライムを倒して入手した"メタルのかけら"を集め、鍛冶職人が丹念に作り上げた」とのこと。鏡面仕上げで、ロトの紋章のほかいくつもの見覚えのあるモンスターやアイテムのシルエットがあしらってある。加えて端末本体のほか、「冒険の導き書」という名の取扱説明書に加え、「ロトの紋章クロス」が同梱される。

背面は鏡面仕上げ。メタルのかけらをもとに鍛冶職人が丹念に作り上げただけあって、美しい仕上がりだ

サイドは丸みを帯びたラウンドフォルムを採用。手に程よくなじみ、持ちやすい。ゲームやコンテンツを楽しむ際も集中できるだろう

ドラクエスマホを手にした瞬間からワクワクが止まらない筆者は、仕様を確認する前に触りたくて仕方がない。はやる気持ちで電源を入れると「おきなさい。おきなさい わたしの かわいい ゆうしゃや」のメッセージが迎えてくれたではないか。母親に起こされるオープニングは、シリーズ3作目だっただろうか。心憎い演出にしびれる。

電源を入れると「おきなさい。おきなさい わたしの かわいい ゆうしゃや」のメッセージがユーザーを迎える

ロトの紋章をタップしてアンロックすると、壁紙をはじめホームアイコン、電波のアンテナ、バッテリー残量アイコンなどホーム画面のいたるところがドラゴンクエスト特別仕様になっているのが確認できる。スリープオフアニメーションまでスライム仕様だ。

ロック画面(写真左)およびホーム画面の様子。壁紙、ホームアイコン、電波のアンテナ、バッテリー残量アイコンなど、いたるところがドラクエ特別仕様になっている

電卓や電話、カメラのUIにもドラクエのキャラクターがちりばめられている

電話の着信メロディにも、ドラクエゆかりの楽曲がプリセットされている。こう書くと歳がバレるが、筆者はドラゴンクエストをリアルタイムでIから順々にプレイしていった世代。シリーズ2作目の「Love Song探して」など懐かしい曲が聞けて、とても嬉しかった。しかしこれを着信音に設定したら、例え着信があっても(いつまでも聞き続けたいがゆえに)電話には出なくなってしまうだろう。

文書作成時には、予測変換の候補に見覚えのある単語・文章が並ぶ。例えば「あ」と打つと「悪霊の神々」「あしもとをしらべた。」など、「か」と打つと「かいしんのいちげき」「があらわれた! 」、「ろ」では「ロトのしるし」「ロトの血を引く者」といった具合。このほかマチキャラも、オーソドックスな「ひつじのしつじくん」のほか、ドラクエバージョンのしつじくんが用意されていた。

電話の着信メロディには、懐かしの名曲が並ぶ(写真左)。予測変換候補には見覚えのある単語が(写真中)。勇者の格好をしたしつじくんも選べる(写真右)

ディスプレイの上に配置されている近接センサーを覆うと、ベールビュー(のぞき見ブロック)を適用/ 解除することができる仕様。表示パターンは、ロトの紋章/スライムモノグラム/ドットキャラクターの3種類から選択可能だ。

ベールビュー(のぞき見ブロック)には、ロトの紋章(写真中)、スライムモノグラム(写真右)などが用意されている

プリセットのゲームで遊んでみた

本端末には、プリインアプリとして「ドラゴンクエストいつでも冒険ダイス」「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」などが用意されている。後者は、スマートフォンに移植されるのは今回が初めてとなるタイトル。端末にはダウンローダーアプリがプリインされており、製品に同梱されているインストールコードを用いてインストールする。

プリインされている、ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君。製品に同梱されているインストールコードを用いてインストールする

ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイスは、スマートフォンを使えば使うほど冒険が進むというユニークな仕様のオリジナルアプリ。着信回数、メール受信回数、パケット通信量、歩数などがゲームの進行に影響してくる仕掛けだ。早速、戦士「マイナビ」を冒険の世界に旅立たせてみた。

ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイスのプレイ画面。スマホの使用時間などがゲームの進行に影響してくる

ゲームはすごろく形式。サイコロを振って、出た目にしたがって歩を進める。モンスターが出現したり、イベントが起こったりと冒険心をくすぐられる内容だ。倒したモンスターは「モンスター図鑑」にコレクション可能。800種類ものモンスターが出現するのでやりがいがある。また、宝箱に入っている「ちいさなメダル」を集めれば、オリジナル壁紙やデコメ絵文字が獲得可能だ。こうした"やりこみ要素"があるため、時間を忘れてプレイを続けてしまうことだろう。ちなみに、転職を司るダーマ神殿も登場する。神官に「それでは、マイナビは転職をお望みか? 」と聞かれ、やはりマイナビと言えば転職なのだな、と思った。

800種類にも及ぶモンスターたちをモンスター図鑑にコレクションできる(写真左)。ちいさなメダルを集めれば、オリジナル壁紙やデコメ絵文字が獲得できる(写真中)

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電源を入れた瞬間から、冒険の世界に旅立てる本端末。ドラゴンクエストの世界を堪能するのに申し分のないつくりになっていた。気になるのが、限定モデルで3万台しか販売されないという点。現在購入を検討している方は、早めに判断した方が良さそうだ。