高価格メニューが売れるのに危機感?

「ロイヤルホスト」と言えば、「ガスト」や「サイゼリヤ」などの低価格外食チェーンに比べるとちょっと高級なイメージ。しかし、確かな食材とシェフによる調理で本格的な料理が楽しめるとあって、多くの消費者に支持されている。

昨年12月から提供された期間限定のアンガスビーフメニューは、単品でも2,000円をこえる価格帯にもかかわらず好評。今年6月のカレーフェアも1品1,500円以上のメニューにも注文が集まった。個人消費が回復傾向とあり、売り上げも上向きだ。

ロイヤルホスト代表取締役社長の矢崎精二氏

しかしながら社内では、こうした現状に危機感を覚えたという。その理由は、「おいしいものってやっぱり高いよね」という「高品質=高価格」のブランドイメージの定着だ。そこで今月より開始したフェアでは、これまでとは方向性を変えた内容となっている。そのフェアの名前は「Discover たまねぎ&じゃがいも」。高級素材ではなく、一般的な野菜である玉ネギとジャガイモにスポットを当て、基本を大切に考えてしっかりと料理に向き合うという「おいしさの再発見」を標語とした試みである。その料理内容を紹介していこう。

まずは「たまねぎとじゃがいもの洋食コース」。こちらはアミューズ「アッシェパルマンティエ じゃがいもと牛肉の重ね焼き」、前菜(「ロイヤルのオニオングラタンスープ」「ベーコンとポーチドエッグのリーフサラダ~オニオンドレッシング~」「彩り野菜のテリーヌ スモークサーモン添え」から1品)、メインディッシュ(「牛肉の赤ワイン煮」「アンガスリブロースステーキ オニオンバターソース」「帆立と海老のグリル オニオンバターソース~ガーリックの香り~」から1品)、「プチオニオンブレッド」といった構成。プリフィクススタイルとなっており、本格的なコースが楽しめる。価格は1,974円で、選び方を工夫すればなんと571kcalというとてもコース料理とは思えないカロリーにすることができる。

「たまねぎとじゃがいもの洋食コース」一例。写真中央より時計まわりに「牛肉の赤ワイン煮」「ベーコンとポーチドエッグのリーフサラダ~オニオンドレッシング」「アッシェパルマンティエ じゃがいもと牛肉の重ね焼き」

今回のフェアでは、北海道産のしっかりとした甘みと辛みが持ち味の赤玉ネギ「さらさらレッド」、ほのかな甘みと柔らかさが特徴的な北海道産ジャガイモ「きたあかり」をメニューに使用(一部、淡路産やアメリカ、ニュージーランド産等を使用)。「玉ネギ」と「ジャガイモ」といったありふれた野菜ながら、厳選素材や手間暇かけた調理で「やっぱりロイホの料理は他とは違うね」と感じる本格的な味わいに仕上げている。

「さらさらレッド」

「きたあかり」

さらには、みんなでワイワイ楽しめるシェアスタイルのメニューも用意。「さらさらレッドのタルトフランベ」(フルサイズ924円・ハーフサイズ504円)は、フランス・アルザス地方の郷土料理であるタルトフランベをメニュー化。薄い生地にチーズや玉ネギ、ベーコン、クミンシードを散らして焼き上げたもので、薄焼きピザ、といった仕上がり。「エンジョイ! タコスボード」(1,029円)は、タコシェルとは別に玉ネギやアボカド、トマトといった具材、ソースをカッティングボードに盛り、自分で具材やソースをサンドするセルフクッキング感覚が魅力だ。

「さらさらレッドのタルトフランベ」(フルサイズ924円・ハーフサイズ504円)

「エンジョイ! タコスボード」(1,029円)

リニューアルした「ロイヤルのオニオングラタンスープ」

名物オニオングラタンスープはリニューアル

ところで、ロイヤルホストの看板メニューといえば、オニオングラタンスープが挙げられるだろう。こちらのメニューも前述のコース料理の中に入っているが、実は同メニューがリニューアルしていることをご存じだろうか。甘みが強い淡路産玉ネギを通年で使用するようにし、コンソメはダブルコンソメにして一層リッチな味わいに。チーズはエメンタールからグリュイエールチーズに変え、おいしさが増した。

どの料理も、ジャガイモや玉ネギといった"普通の野菜"がプロの手にかかればこんなにもおいしくなるのか! と驚きの連続。と同時に、これらの野菜の魅力も「再発見」できる「Discover たまねぎ&じゃがいも」、2014年3月末まで展開の予定なので、お近くのロイヤルホストでぜひ味わってみてほしい。

(文・A4studio 武松佑季)