MM総研は、日米のウェアラブル端末に関する市場展望を公表した。調査結果からは、ウェアラブル端末のデザイン性について、日本では周囲に溶け込む自然なものが好まれるのに対し、米国では周囲にアピールできる個性的なものが支持されるなど、日米間での違いが浮き彫りになった。
同調査は、日米のスマートフォン所有者を対象に、メガネ型端末や腕時計型端末の現状の機能などを説明し、ウェブアンケートの結果をまとめたもの。回答者は日本が1000人、米国が500人。また、ウェアラブルデバイスを「身につけることができるコンピュータ」「ネットワークに接続できる機器(スマートフォンなど他の通信機器と連携するものも含む)」として、調査を行った。
調査結果によると、ウェアラブル端末の知名度については、「よく知っている」「知っている」「名前は聞いたことがある」の合計値が日本は27.9%、米国は83.4%となり米国が日本を大きく上回った。すでにソニーモバイルコミュニケーションズが発売している腕時計型端末の「SmartWatch」の知名度も日本で37.1%だったのに対し、米国では70.2%に達した。
ウェアラブル端末の開発、製品化を期待する企業を複数回答でたずねたところ、メガネ型端末については、日本でグーグル(30.5%)、アップル(29.2%)、ソニー(26.6%)だった。米国ではグーグル(59.6%)、サムスン(40.0%)、アップル(35.4%)の順だった。
メガネ型端末で利用してみたい機能については、日米ともに最多だったのが「地図を表示してルート検索をしたり、道案内をしたりする」で日本47.2%、米国で55.2%だった。このほか日本では「駅の中で乗り換えの時間だけでなく、場所の案内もしてくれる」が38.9%、米国では「目の前にある風景を撮影して、SNSで共有する」が50.2%などと続いた。同社によると、日本では利便性を求め、米国ではコミュニケーションに関する項目が比較的高かったとしている。
デザイン面では、メガネ型端末について「見せびらかしたい」「やや見せびらかしたい」の合計が日本で13.5%だったのに対し、米国では40.2%だった。腕時計型についても日本は同17.8%であるのに対し、米国では同42.0%となり、米国に比べ、「日本は周囲に溶け込む自然なデザインが好まれる」と分析している。
ウェアラブル端末の普及で生じる懸念について、事業者から個人情報が漏れることに関する不安については「不安に感じる」「やや不安に感じる」の合計が日本では81.2%、米国では69%になった。端末所有者からの盗撮や追跡は日本が82.6%、米国が71%といずれも高い割合を示した。
業務利用については日本では「手を使わずに機械の操作ができる」が60.6%が最多で、米国では、「仲間と連絡が取りやすくなる」がトップだった。
今後の市場規模については、日本の市場規模は2014年度に111万台、2020年度に604万台に拡大すると予想している。