出てくる数字ほどには経済回復を実感できない―― そう考えている方も多いと思うが、そんななか米国でもう1つのトレンドに注目が集まっている。米NPD Groupが12月23日(現地時間)に発表したデータによれば、今年のホリデーシーズン商戦でヘッドフォンが年率14%、サウンドバーが80%伸びを示し、こうしたオーディオ関連アクセサリがコンシューマ家電全体の13%の売上を示すなど、「スマートフォンを入手したユーザーが次に目を向けるもの」がホットになりつつある。
同件は米Associated Press (AP通信)が報じている。それによれば、NPD Groupが今年11月24日~12月7日のホリデーシーズン商戦2週間の売上データを集計したところ、同期間の家電製品売上80億ドルのうち、こうしたオーディオ関連アクセサリが全体の13%を示すシェアを獲得していたという。こうしたアクセサリは数千~数万円程度で、スマートフォンやタブレットなど、それに接続して利用するデバイスの値段は超えないというのが一般的だ。分析によれば、まだまだ不調の経済状態で「プチ贅沢」とでもいうべき音質向上に目を向けたユーザーが増えたというものだ。「スマートフォンやタブレットを頻繁に買い換える余裕はないが、すでに持っているデバイスを使ってより良い音楽を楽しむ」という、スマートデバイス購入が一段落付いた後のステップというわけだ。これはTVにもいえ、前述サウンドバーはそのための仕掛けとなる。
しかもAPの記事で示されているのは単なる安物ではなく、価格帯にして例えば100~200ドル程度のプチ高級品だ。例えば大型ヘッドフォンでは、100ドル以上の価格帯の製品が昨年まで71%の比率だったものが、今年は78%まで増加している。一方で売れ筋商品を中心に値下がり傾向にあるのも特徴で、ワイヤレススピーカ昨年から平均売価が33%下落して今年は73ドルとなっている。これは、Best BuyやAmazon.comといったリテーラーが積極的に値下げ攻勢を行った結果だ。この傾向は、来年以降も引き続きウォッチしていると面白いかもしれない。
(記事提供:AndroWire編集部)