内閣府は25日、「2012年度国民経済計算確報(フロー編)」を発表した。それによると、2012年の日本の1人当たり名目GDP(国内総生産、ドル換算)は、前年比0.6%増の4万6,537ドルとなった。経済協力開発機構(以下、OECD)加盟34カ国の中では、前年の14位から10位に上昇した。
1人当たり名目GDPの1位はルクセンブルグの10万3,751ドル。このほか、7位に米国の5万1,689ドル、8位にカナダの5万1,024ドルが入った。また、OECD非加盟国のロシアは1万4,037ドル、中国は6,089ドルなどとなった。
国全体の名目GDPを見ると、日本は5兆9,359億ドルで全体の3位。世界のGDPに占める比率は8.2%と、前年に比べて0.1ポイント低下した。1位は米国の16兆2,446億ドル、2位は中国の8兆2,241億ドルとなった。
2012年度の名目GDP(支出側)は、前年度比0.2%減の472.6兆円で2年連続のマイナス。GDPデフレーターは、同0.9%減と15年連続のマイナスとなった。一方、実質GDP(支出側)は同0.7%増と3年連続のプラスとなった。
実質GDPに交易利得・損益を加えた実質GDI(国内総所得)は、前年度比0.6%増の498.6兆円となり、2年ぶりの増加。これは、交易損失が拡大したのに対し、実質GDPは前年度より増加したことによる。また、実質GDIに海外からの所得の純受取を加えた実質GNI(国民総所得)は、同0.8%増の514.9兆円と2年ぶりに増加した。
国民所得(要素費用表示)は、前年度比0.6%増の351.1兆円と2年ぶりの増加。内訳は、雇用者報酬が同0.1%増の246.0兆円で、3年連続の増加、企業所得が同1.1%増の83.6兆円で、2年ぶりの増加、財産所得が同3.8%増の21.5兆円で、2年連続の増加となった。労働分配率(国民所得に占める雇用者報酬の比率)は70.1%と、前年度の70.4%からほぼ横ばいとなった。
家計貯蓄は、前年度比3.3兆円減の2.9兆円と3年連続の減少。家計最終消費支出が増加した一方、家計可処分所得が減少したことなどによる。家計貯蓄率は、同1.2ポイント低下の1.0%と3年連続で低下した。
2012年の経済活動別(産業別)のGDP構成比(名目)を見た場合、第1次産業(農林水産業)のシェアは前年から横ばいの1.2%。第2次産業(鉱業、製造業、建設業)のシェアは製造業のシェアが縮小したことが響き、同0.4ポイント低下の23.9%となった。低下は2年連続。
一方、第3次産業(その他)のシェアは同0.4ポイント上昇の74.9%。サービス業などのシェアが拡大し、2年連続で上昇した。