ボルボ・カー・ジャパンは、ボルボの新車体構造「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」について、その詳細を発表した。デザインの自由度を高め、乗員保護性能を向上させただけでなく、ドライバーをサポートする事故回避性能についても大幅な進化を遂げているという。
SPAは実際の交通状況にもとづく総合的なアプローチの中で、ドライバーを中心としたシステムとして構築されている。ドライバーは周囲360度をエアバッグやネット接続などのさまざまな技術に囲まれることになる。乗員保護については、新たに特許を取得したSPAセーフティ・ケージを採用。さまざまなグレードの鋼材を使用することで洗練度を上げ、中でもボロン鋼を広範囲に採用して優れた強度を実現した。
衝突回避については、車体周辺のより多くの物体を検知できるようになり、夜間の運転でも大型動物や歩行者を検知し、自動ブレーキを作動させることが可能に。また、ドライバーが意図せずに走行車線から外れてしまうことが、今日の交通事故において多くの死傷者を出す原因との分析から、ステアリング修正にも力が入れられている。すでにステアアシスト付きのアダプティブ・クルーズ・コントロールが実用化されているが、SPAではさらに進化した自動運転技術にも適応できる設計となっている。
また、周囲を走行する他車や道路設備と通信を行うカー・ツー・カー、およびカー・ツー・インフラにより、さまざまな情報を入手して安全性や利便性を向上させる。渋滞回避はもちろん、青信号の連続走行や空いている駐車スペースの検索なども可能になるという。ボルボは2020年までに新しいボルボ車による交通事故死亡者や重傷者をゼロにする目標を掲げており、SPAの導入によってその実現を加速させる考えだ。