日本政策金融公庫総合研究所はこのほど、「2013年度新規開業実態調査」の結果を発表した。

調査対象は、日本政策金融公庫国民生活事業が2012年4月~9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業。調査期間は2013年8月、調査方法は郵送。有効回答数は1,618社(個人企業61.1%、法人企業38.9%)。

まず、開業時の年齢を調べたところ、「30歳代」が40.2%で最多、次は「40歳代」の29.8%で、合わせて30~40歳代が70.0%を占めた。以下、「50歳代」が15.5%、「29歳以下」が8.1%、「60歳以上」が6.5%と続いた。長期的には、「29歳代」の割合が減少する一方、「60歳以上」は増加している。平均年齢は41.7歳だった。

開業時の年齢(出典:日本政策金融公庫Webサイト)

男女の割合は、男性が84.9%、女性が15.1%。女性の割合は、1990年代には10%台前半だったが、2000年代に入って15%前後で推移している。

最終学歴は、「大学・大学院」が37.8%でトップ。次いで、「高校」が30.4%、「専修・各種学校」が23.9%、「短大・高専」が4.8%、「中学」が3.0%となった。

開業動機を尋ねたところ、最も多かったのは「自由に仕事がしたかった」の53.9%。以下、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」の49.5%、「収入を増やしたかった」の47.3%と続いた。

開業動機(出典:日本政策金融公庫Webサイト)

開業業種については、「サービス業」が23.6%、「医療、福祉」が19.6%、「飲食店、宿泊業」が15.1%、「小売業」が10.1%との順に。近年は「医療、福祉」の割合が高くなっており、2013年度は2008年度の13.2%と比べて6.4ポイント増加している。また、フランチャイズ・チェーンに加盟している企業の割合は5.8%だった。

開業費用の分布を見ると、「500万円未満」が34.8%で最多。次いで、「500万円~1,000万円未満」が30.9%、「1,000万~2,000万円未満」が21.1%、「2,000万円以上」が13.1%となった。長期的に見ると、「500万円未満」の割合が上昇傾向にある。平均値は1,195万円で、過去最低だった2011年度の1,162万円に次に低かった。

開業費用(出典:日本政策金融公庫Webサイト)

開業時の資金調達額は平均1,337万円で、1991年の調査開始以降、最も低かった。内訳を見た場合、「金融機関等からの借金」が833万円で最も多く、次が「自己資金」の327万円と続いた。

また、開業前に予想していた売上を達成している企業の割合は、直近3年間において減少していることが判明。現在苦労していることとしては、「顧客・販路の開拓」が44.8%で最も多かった。

開業時に利用した支援策を聞くと、「先輩起業家や専門家による助言・指導」が21.2%、「低金利融資制度や税制面の優遇措置」が19.5%、「同じような立場の経営者との交流の場」が18.6%となった。