担当者はすでに次の年賀のことを考えている!?

はがきの引受枚数全体の約3割を占める年賀はがきは、毎年33億枚(平成24年度)程度売り上げるなど、発行する日本郵便にとっても重要なコンテンツとなっている。では、発行にいたるまでにどんなことが行われているのだろうか。

年賀はがきは、年間2回に分けられてつくられている。まず、定番の無地の赤いデザインは、社内の意思決定や入札、セキュリティなどの諸条件をクリアしなければならないため、その年の年賀はがきが販売されている12月には、翌年の年賀はがき発行に向け、早々に動き始める。担当する郵便事業本部 切手・葉書室の西村さんは、その年の年賀状を出す前に次の年のことを考えなくてはいけないのだと語る。

企画ものの年賀状もゴールデンウィーク明けには方向性を

郵政民営化後に発行されたディズニーキャラクター年賀や、いろどり年賀など、比較的に新しい年賀はがきに関しても、社内での評価反省後、年明けから担当者と関係各社の間で再度評価、反省の場を設ける。また並行して、次の年のアイデア出しも行うのが通常だ。ゴールデンウィーク明けには方向性が固まると、同年11月の発行に向け、本格的な作業がスタートしていく。

年賀はがきが販売されるのは毎年11月から1月10日頃までの約2カ月半の間。しかし、年賀はがきが発行される頃には、すでに翌年のことを考えなければならない。それが毎年続く。担当者にとっては、「年賀にかかわる仕事をしていると、今年が何年か分からなくなるほど、数字がマヒしてしまう」と、まさに終わりがない仕事だ。

しかも、驚きは、年間33億枚以上を売り上げる、日本郵便の主要商品の1つとなっている年賀はがきにもかかわらず、企画に携わる担当者はわずか数名。さらに、「郵便年賀.jp」など、ウェブ企画に携わるのも数名。しかし、少人数ではあるが、毎年、画期的な試みを模索、展開し、より良いサービスを提案する努力を惜しまない。