中小企業庁は、このほど閣議決定された「好循環実現のための経済対策」(5日)および「2013年度補正予算案」(12日)を踏まえ、中小企業・小規模事業者の資金繰り対策として、事業規模10兆円超の金融支援を実施すると発表した。
具体的には、原燃油高などに影響を受ける事業者の資金繰り円滑化のため、日本政策金融公庫(以下、日本公庫)等による経営支援型セーフティネット貸付の継続・拡充(貸付規模6兆円規模)を実施する。セーフティネット貸付については金利を最大0.5%引き下げるほか、「金融環境変化対応資金」を新設し、民間金融機関からの融資が困難な企業に対して低利融資を行う。
日本公庫の各支店には、専門窓口を設置して事業者の相談に対応する。これらの対策により、政府系金融機関による経営支援と一体となった資金繰り支援を強化するという。
信用保証協会による借換保証についても引き続き推進し、経営支援と一体となった資金繰りを支援する。保証規模は4.5兆円。なお、経営改善・事業再生に関する計画を実行する際、普通保証2億円、無担保保証8,000万円、特別小口保証1,250万円を限度として、一般保証と別枠で保証を実施する経営改善サポート保証(産業競争力強化法)を併せて活用することができる。
セーフティネット保証(5号)については、2013年度補正予算の成立後、3週間程度の周知期間を経た後、平時運用へ移行。短期的に業況が悪化している業種に属する業者の支援措置として、引き続き積極的に活用していくとしている。
設備投資対策としては、日本公庫において老朽化設備の新陳代謝、所得増加および創業といった「前向きの事業展開」に向けた取組に対応した融資を促進する。貸付規模は2.9兆円。給与支払総額を増加させた事業者に対しては金利を0.4%引き下げるほか、老朽化設備の大規模な更新などを行う場合には、当初2年間の金利を0.5%引き下げるといった支援を実施する。
また、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業について、事業者および認定支援機関双方における制度の使い勝手の向上を図り、同事業の活用を進めるため、「金融支援の内容(返済負担の軽減要件を緩和し、条件変更のみならず融資行為も対象とする)」、「同意書の取得に係る取扱い(金融支援を行う金融機関から同意書を取得すれば可とする)」などについて運用を見直す。
このほか、「経営者保証に関するガイドライン」の活用を希望する事業者に対し、専門家の派遣や同ガイドラインの周知などを実施する。また、日本公庫および商工組合中央金庫において、「経営者保証に関するガイドライン」に対応し、率先して経営者保証によらない融資を行うとしている。