東京写真記者協会が主催する「2013年報道写真展」が、12月24日まで三越日本橋本店(東京都中央区)にて行われている。14日の開催初日には読売巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんも来場、自らの国民栄誉賞受賞時の写真などをうれしそうに眺めていた。
カメラのプロによる写真が約250点
新聞や通信など34社が加盟する東京写真記者協会による報道写真展は、今年で54回目。2013年に起こった様々な出来事の中から、プロのカメラマンが切り取った「決定的瞬間」が、パネルとなって約250点展示されている。
今回の写真展では「長嶋茂雄・松井秀喜」「富士山」「東日本大震災の被災地」の3テーマを重点的に取り扱っているという。
最も優れた写真に贈られる「東京写真記者協会賞」には、7月にJR南浦和駅でホームと電車の間にはさまれた女性を乗客らが助けているシーンを写した「見せましょう! 日本の底力を」が選ばれた。この救出劇は、米国のCNNをはじめ、イギリス、イタリア、ロシアなどの新聞やインターネットで報道され、「すばらしいニュース」と賞賛されたという。
国民栄誉賞受賞時をはじめ、自らの写真が重点的に取り扱われていることもあり、14日の写真展オープン記念のテープカットには長嶋さんが参加した。
今も昔も変わらぬミスタースマイル
テープカットを終えた「ミスター」は、会場内を一回りして展示されている写真を興味深そうに眺めていた。ただ、やはり野球に関するコーナーになると、ひときわ熱が入った様子。自身の現役時代の豪快な空振りを写した一枚を見た瞬間、「ほっほっほ」と高い笑い声。「ずいぶん若い頃の写真ですね」と昔を懐かしむように語った。
5月5日に東京ドームで行われた、巨人時代の愛(まな)弟子・松井秀喜さんの現役引退セレモニーを写した一連の写真にも非常に興味を示した。その中でも、やはりかつての勝負師の血が騒いだのか、一番気になったのは松井さんとの始球式対決の一枚だという。投手・松井秀喜に対し、打者・長嶋茂雄が特別注文の黄金バットで空振りしている姿が収められているシーンを、じっと感慨深げに見つめていた。
また、同写真展に協賛しているキヤノンマーケティングジャパンから、キヤノン製の「PowerShot N」をゴールド色に装飾した特別仕様のカメラが贈呈されると、うれしそうに報道陣をパチリ。誰もが愛してやまない「ミスタースマイル」は健在だった。
2013年報道写真展は、日本橋三越本店の本館7階にて12月24日まで開催。時間は10~19時(20~23日は20時まで)となっている。入場は無料。