12月12日~15日に東京ビックサイトで開催された「エコプロダクツ2013」。大手家電メーカーのブース以外にも興味深い展示があったので、いくつか紹介したい。
ヒートポンプを使った蓄熱床下冷暖房ユニット
エコキュートなどのヒートポンプと組み合わせた床暖房は、空気を汚さない暖房として人気が高い。ジェイ・ブイ・エスの涼暖ベースは、一般的な床暖房とは異なり、輻射熱と対流によって床材を暖める構造をとる。
床材をダイレクトに暖めないため、低音やけどなどの心配も少ない。ブースではユニットに実際に温水を流してデモを行っていたが、表面温度は50°C程度。手で直接触れても熱すぎるということはない。ユニットは蓄熱性が高いコンクリート製だ。
ユニットは、暖房のみに使用するタイプと、暖房と冷房に使用するタイプ、エアコンの室外機を熱源とし暖房と冷房に使えるタイプの3種類がある。いずれにせよ熱源として使用するのはヒートポンプで、同じように風を起こさない暖房器具であるオイルヒーターと比較すると効率が高い。
また、蓄熱タイプなので、夜間の低価格な電力を利用することが可能だ。標準サイズの「WHB-W」ユニット(W400×D750×H145mm)は、新築時にのみ設置可能だが、コンパクトタイプの「WHB-WR」(W300×D500×H55mm)は、リフォーム時に床下に設置することも可能だ。
木炭をフィルターとして使用する脱臭・有害物質除去機
冷蔵庫の脱臭などにも使用されている木炭は、広い表面積を持つ多孔質の物質。テイタンAPが開発した低温炭化ボードは、脱臭や有害物質の吸着に特化した炭だ。
低温炭化ボードの素材は、一種の成形炭だ。成形炭として代表的なオガ炭では、粉砕した木(おがくず)を高温高圧で固めてから焼く。それにに対して低温炭化ボードの素材は、まず間伐材を焼いて黒炭を作り、それを粉砕。さらに低温で長時間加熱して固めるという方法で作られている。これにより、結晶化を起こさずに、高い吸着能力を持った均質な炭となる。
低温炭化ボードは、効果が薄れてきたら水洗いすることで復活し、繰り返し使用することが可能だ。ブースで聞いた話によると、何度か繰り返して使用すると最後は土のようになってしまうとのことなので、水洗いすることで有害物質を吸着した表面部分をはがしているのではないかと思われる。
同社の機器は、ニオイやホルムアルデヒドの除去、ウイルスの抑制のために病院内で使用されてきたが、ブースには家庭向けの機器も参考出展。脱臭と有害物質除去専用のボックスタイプと、和風フロアスタンド兼用タイプが展示されていた。まだ発売前ではあるが、20,000円前後での販売を予定しているとのことだ。
コンビニで飲み物を買うときにマイボトル?
ペットボトル飲料は便利だが、使い捨て容器の見直しという観点から、ステンレス製のマイボトルを持ち歩く人も増えてきている。そこで、マイボトルを自動的に洗浄できるサービスを行うには……とのアイデアで作られたのが、メタルバンガードコーポレーションのマイボトル洗浄機だ。
同社のマイボトル洗浄機は、洗剤を使わずにボトルの洗浄を行うシステム。塩化ナトリウム水溶液を電気分解することで還元水と酸性水を作り、洗浄を行う。洗浄は30秒ほどで終了する。また、展示機では、実証実験の際に要望のあった乾燥機能も搭載されていた。
ステンレス製のボトルだけでなく、ガラス製のコップやマグカップなども洗浄することが可能だ。本体サイズはW1240×D660×H1406mmで、オフィスのドリンクコーナーや、コンビニエンスストアなどへの設置が想定されている。