女優の中谷美紀と田中光敏監督が13日、東京・新宿バルト9で行なわれた、映画『利休にたずねよ』のティーチインイベントに出席した。

左から、中谷美紀、田中光敏監督

全国公開中の同作は、直木賞を受賞した山本兼一の同名小説(PHP文芸文庫)を原作に、茶人・千利休の生涯を描いた作品。研ぎ澄まされた美意識や独創性を持ち、織田信長や豊臣秀吉に寵愛されていた千利休(市川海老蔵)。その“美”の本質は、若い頃に体験した、高麗からさらわれてきた女性との情熱的な恋に始まっていた――という仮説をもとに描いたストーリー。

千利休を支える妻・宗恩を演じた中谷は、「日本の伝統文化の映画だと思ったら、愛の映画だったと驚きのコメントを頂いた」と反響を明かし、「生きる意味や男女の真実の愛が語られている映画です」とアピール。「利休が切腹する前に最後のお茶をたてるシーンは、何度も観ても美しくて涙が出ます」と印象深いシーンを語った中谷は、自身も10年来、お茶をたしなんでおり、「仕事をする上で助かったのは、人見知りを克服したこと。お稽古では知らない人の前で恥をかくので、恥をかいても良いんだと思うようになりました」と笑顔を見せた。

また、初共演の市川について、「女性に優しい。いざとなったら矢面に立つような優しさを持ってる」と称賛した中谷は、「最後に出てくる黒いお茶碗は、400年前の国宝級のもの。似たものを使おうとしてたら、海老蔵さんが『本物じゃなかったら割るよ』っておっしゃって」と自身が“平成の狼藉者”と呼ぶ市川のエピソードを披露した。イベント最後の写真撮影では、マカロンで作ったツリーが登場。ワンピースにクリームを付けてしまうというお茶目な部分も見せた中谷は、マカロンを女性客に食べさせるなどサービス精神旺盛で、会場を沸かせていた。