楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズは12月5日、スマートフォン向け通話サービス「楽天でんわ」を提供開始した。iPhoneおよびAndroidスマートフォン向けに提供される専用アプリから発信することで、30秒10.5円という低価格な通話料で音声通話を利用できるサービスで、LTE対応スマートフォンの通常発信と比べて通話料が半額になるのが特長だ。
楽天でんわは、提供開始3日間で専用アプリのダウンロード数が10万件を突破するなど、通話料を節約したいスマートフォンユーザーから注目されている。また、スマートフォンの通話料を節約する方法としては、同社が提供する「SMARTalk」をはじめとするIP電話アプリも人気だ。楽天でんわはIP電話とは異なるサービスだが、スマートフォンの通話料をいかに節約するかがユーザーの関心事となっていることがわかる。
そこで本稿では、スマートフォンにおける通話料の現状をおさらいしながら、楽天でんわを使うことで、どのように通話料を節約でき、どんな人にとってお得なサービスなのかについて考えていきたい。
LTE対応スマートフォンの通話料が高額になる理由
まずは、スマートフォンにおける通話料の現状をおさらいしておこう。iPhone 5s/5cや、最新のAndroidスマートフォンをはじめとして、携帯各社から販売されているスマートフォンの多くは、高速通信のLTEサービスに対応しており、外出先でも高速な通信速度でインターネットを利用できるのが特長だ。しかし、これらのLTE対応スマートフォンでは、無料通話分がなく、1回あたりの通話料が割高な料金プランが一般的になっている。各社のおもな料金プランをまとめると、以下のようになる。
■携帯3社のLTE対応スマートフォンの料金プラン | ||||||
ドコモ | KDDI(au) | ソフトバンク | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
料金プラン名 | タイプXi にねん | タイプXi | LTEプラン(誰でも割適用) | LTEプラン | ホワイトプラン | 標準プラン |
月額基本料 | 780円 | 1,560円 | 980円 | 1,961円 | 980円 | 1,960円 |
通話料 | 21円/30秒 | 21円/30秒 | 21円/30秒 | 21円/30秒 | 21円/30秒 | 21円/30秒 |
キャリア内無料通話 | なし | なし | 1時~21時 | 1時~21時 | 1時~21時 | 1時~21時 |
契約期間 | 2年間 | なし | 2年間 | なし | 2年間 | なし |
携帯各社の料金プランでは、契約期間やキャリア内無料通話の有無によって月額基本料に違いがあるものの、いずれの通話料も21円/30秒と横並びであり、フィーチャーフォンなどの通話料と比べると割高なのが特長だ。また、各社ともに2年契約のプランでは月額基本料が1,000円以下に設定されているが、無料通話分がないため、通話した分だけ割高な通話料が加算されてしまう仕組みとなっている。
月額基本料が安い代わりに無料通話分が少なく、通話料が割高といった料金プランは、従来のフィーチャーフォンでも用意されており、電話をかける機会が少ない人にとっては有利な面もあった。しかし、LTE対応スマートフォンでは、無料通話分がなく通話料が割高な料金プランしか選べないことが問題となっている。なお、キャリアによっては、他の料金プランが用意されている場合もあるが、MNPや割引のキャンペーンの対象となるためには、上記の料金プランへの加入が条件となっているなど、実質的に"それしか選べない"状況と言える。
このように、NTTドコモの「タイプXi にねん」「タイプXi」、KDDI(au)の「「LTEプラン(誰でも割適用)」「LTEプラン」、ソフトバンクモバイルの「ホワイトプラン」「標準プラン」に加入している人は、「楽天でんわ」を使うことで通話料を節約することができる。これらのプランに加入している人は、一度自身の通話料金をチェックしてみるとよいだろう。
それでは、これより「楽天でんわ」がどんなサービスか、どのようなサービスなのか、どのようなユーザーに”お得”なのかを説明していこう。
通話料10.5円/30秒で通話できる「楽天でんわ」とは?
このようにLTE対応スマートフォンでは、無料通話分がなく21円/30秒という通話料が割高な料金プランが一般的であり、電話をかける機会が多い人にとっては、毎月の通話料が高額となる可能性がある。そこで活用したいのが、10.5円/30秒という半額の通話料で電話をかけられる楽天でんわだ。
楽天でんわは、通話発信する際に相手の電話番号の頭にプレフィックス番号を付加することで、フュージョンの電話回線を使って通話できるというサービスだ。同社の電話回線を使うことで、10.5円/30秒という格安な通話料を実現している。
スマートフォンから利用するには、あらかじめ同社のWebサイトで登録を行い、iPhone、Android向けの専用アプリをダウンロードすればよい。専用アプリを使って通話発信すると、プレフィックス番号が自動で付加され、楽天でんわによる通話が可能だ。
電話回線を使った通話となるため、通常のスマートフォンの発信と同じ品質で通話でき、パケット通信を利用するIP電話アプリと比べて、通話品質が高く安定しているのが特長。また、IP電話アプリでは"050"から始まる番号が相手に通知されるが、楽天でんわでは自分のスマートフォンの電話番号が通知される。そのため、相手の知らない電話番号が通知されてしまう心配もなく、折り返しの電話もいつもの電話番号で受けられる。
楽天でんわは初期費用、月額基本料ともに無料で、使った分の通話料だけが毎月請求される。もしも、登録しただけで全く利用しなかった場合でも維持費は無料だ。楽天でんわを利用した通話料は、キャリアではなくフュージョンにクレジットカード払いで支払うことになる。なお、通話料100円につき楽天スーパーポイントが1ポイント貯まり、楽天カードによる支払いの場合は100円につき2ポイントが貯まる。
キャリアの通話料半額オプションよりもお得?
通常のスマートフォンの半額となる10.5円/30秒の通話料で電話をかけられるのが、楽天でんわの最大の特長だが、KDDIとソフトバンクでは、それぞれ「通話ワイド24」「Wホワイト」という通話料が10.5円/30秒になるオプションサービスを提供している。これらのオプションと楽天でんわを比較してみよう。
■通話料を半額にするキャリアのオプションサービスと、楽天でんわの比較 | |||
KDDI(au) | ソフトバンク | フュージョン | |
---|---|---|---|
サービス名 | 通話ワイド24 | Wホワイト | 楽天でんわ |
月額料金 | 980円 | 980円 | 無料 |
通話料 | 10.5円/30秒 | 10.5円/30秒 | 10.5円/30秒 |
キャリア内無料通話 | 1時~21時 | 1時~21時 | 利用不可 |
キャリアのオプションサービスと楽天でんわを比較したときの違いは、通話ワイド24とWホワイトが月額980円となっているのに対し、楽天でんわは月額料金無料で利用できることだ。つまり、これまで通話料を半額にするためにオプションに加入していた人が、オプションを解約して楽天でんわを使うようにすれば、月額980円をそのまま浮かせて、10.5円/30秒の通話料で電話をかけられることになる。これはかなりお得と言ってよいだろう。
なお、KDDIのLTEプランや、ソフトバンクのホワイトプランでは、1時から21時までの同一キャリア内の通話が無料となっている。これらの無料通話の相手に電話をかける際、楽天でんわを利用すると無料通話の対象とならないため注意が必要だ。そこで、楽天でんわの専用アプリでは、「無料通話リスト」が用意されている。同リストにあらかじめ電話番号を登録しておくことで、その番号には楽天でんわではなく通常発信で電話をかけられるようになっている。
「楽天でんわ」はどんな人に向いているのか?
それでは、楽天でんわはどんな人に向いているサービスと言えるだろうか。まず、固定電話や他キャリアの携帯電話などに電話をかける機会が多い人であれば、通話した分だけ通話料が半額になってお得だ。とくに仕事で通話することが多い場合、通話品質が重要となるため、IP電話アプリよりも楽天でんわのほうが安心して利用できるだろう。いつもの電話番号が相手に通知されるので、折り返しの電話をかけてもらうときも、相手の手をわずらわせる心配がない。
また、楽天でんわの通話料に応じて楽天スーパーポイントが貯まるため、楽天市場をはじめとする楽天の各種サービスをよく利用する人にとってもオススメだ。現在は、楽天でんわで貯めたポイントを他サービスで利用できるようになっているが、今後は、他サービスで貯めたポイントを楽天でんわの支払いにも使えるようにすることが予定されている。
さらに、楽天でんわは初期費用、月額基本料ともに無料であり、電話を全くかけなかった月はコストがかからず、少ししか電話をかけなかった月でも、使った分の通話料だけを支払えばよい。そのため、普段あまり電話をかけない人であっても、楽天でんわをお得に利用できる。登録しておくことのデメリットは見当たらず、あらゆるLTE対応スマートフォンのユーザーにとって、楽天でんわはお得なサービスだと言えるだろう。
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本稿で見てきた通り、携帯各社が販売するLTE対応スマートフォンでは、無料通話分がなく通話料が割高な料金プランが一般的となっており、電話する機会が多いと、毎月の通話料が高額になってしまう可能性がある。楽天でんわは10.5円/30秒という通常の半額の通話料で電話をかけられるので通話料を節約したい人に最適だ。いつもの電話番号で電話をかけられ、通話品質が安定しているという特長もある。初期費用や月額基本料は無料となっているので、高額な通話料に悩まされている人は、ぜひ気軽に試してみてはいかがだろうか。