「ゆとり世代」を、「自覚度」と「抵抗度」を軸に4層に分割

公益社団法人 東京広告協会主催の「大学生意識調査プロジェクト FUTURE2013」はこのほど、「ゆとり教育に関する意識調査」を実施、結果を公表した。

同調査は、「ゆとり」に対する様々な意識と実態を、「ゆとり世代」本人たちが、「ゆとり世代」本人たちに対して調査したもの。「ゆとり自覚度」と「ゆとり(と言われることへの)抵抗度」を軸に「ゆとり世代」を4層に分割し、「ゆとりの現実」や「さとりの真実」という視点から、「ゆとり、ひとくくり、もううんざり」とまとめ、今の世代がどのような層に分かれているのか分析した。

調査期間は、7月17日~8月2日。首都圏の大学に在住する大学1~4年生の男女を対象に、アンケート自記入法にて実施。有効回収数1,112票のうち、800票を集計対象とした。

"ゆとり教育"を評価する大学生は約半数

大学生に、自身が受けてきた「ゆとり教育」制度は良かったか聞いたところ、「良かった(計)」「良くなかった(計)」との回答はそれぞれ約5割となった。

「ゆとり教育」制度、「良かった」「良くなかった」がそれぞれ約5割

良かった理由の上位は「勉強以外の経験や自分のしたいことができたから」「休みが増え、自分の時間ができたから」「勉強量が少なく、楽に勉強できたから」となり、良くなかった理由の上位は「学習時間が減ったことで一般常識や学力が低下したから」「『ゆとり』といわれ、他の世代にバカにされるから」という結果となった。現在の大学生にとって「ゆとり教育」の評価は意見が二分していることがわかる。

「さとり世代」の認知は、3割以下にとどまる

近年世間でいわれる「さとり世代」という言葉を知っているか聞いたところ、「知っている(計)」と回答した人は約3割となった。

「さとり世代」の認知は、3割以下に

さらに、世間一般に言われる「さとり世代」の特徴についても聞くと、「あてはまる」との回答の割合は、「海外旅行に興味がある」が約7割、「浪費しがちだ」が約6割という結果となり、「ゆとり」の派生型として世間で言われている「さとり」であるが、実際には大学生には自身が「さとり」であるという実感がなく、性格面でもあてはまらないことがわかった。

「さとり世代」の特徴は、「海外旅行に興味がある」が約7割

また、「ゆとりの自覚の有無」×「ゆとりと言われることへの抵抗感の有無」で質問間クロスを実施。レポートでは、4タイプの具体的な特徴についても分析をしており、「現状に満足気味の"真性ゆとり層"」「ゆとりにコンプレックスを感じる"あせり層"」「ゆとり風評被害には屈しない"きっちり層"」「ゆとりなんか気にしない"つっぱしり層"」といった示唆を得ている。その他、詳細は同協会Webサイトで確認できる。