忘年会シーズンもたけなわとなりつつある2013年の師走、歓楽街を歩くサラリーマン諸氏の足取りも酒でおぼつかないものになりがち。酒に限らず、最近ではながらスマホも問題となり、線路への転落や電車への接触事故も多いと思う。これは日本だけに限らない事情のようで、海外でも有数の公共交通網が発達している米ニューヨークでも問題となっている。現在同市ではハイテク技術を駆使した転落検出システムを導入中だという。

同件はNew York Daily Newsが報じている。それによれば、米ニューヨーク市内を走る地下鉄では、2012年だけで転落や接触による被害者が144人で死亡が55人、2013年も12月初旬までで52人が死亡しているという。利用者数を考えればこれでもかなり低い水準だが、10年前と比較してやや増加傾向にある。ニューヨークの地下鉄を経験した方であればご存じだが、施設はかなり老朽化しており、スペース的にも明らかに危ない箇所がある。転落や接触も、多くは酔っぱらいや不慮の事故が原因だと考えられるが、現在ニューヨーク市ではこれまで圏外だった地下駅の携帯電話対応を進めており、今後はスマートフォン操作による"ながら"接触・転落事故も増えると思われる。

そのため、市の交通網を運営しているMTAは現在転落検出のための装置を導入しており、その様子の写真や図がNew York Daily Newsで確認できるようになっている。仕組み的には転落検出のためのレーザー光と電波を線路上に走らせ、近付く列車がこれをすぐに把握できるようになる。また監視カメラとサーマルセンサーが設置され、ホームの様子を24時間体制で監視する。現在まだ試験導入中であり、セキュリティ上の理由かどの駅と路線で導入されているかは明らかにされていないが、世界でも有数の歴史を持つニューヨークの古い地下鉄において最新のハイテク装置を使ったセキュリティが実装されるというのも面白い。

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