JR東日本は12日、国土交通大臣に鉄道運賃・料金の変更認可申請を行ったと発表した。消費税率引上げにともなう運賃・料金改定において、首都圏を中心としたICカードの普及なども踏まえ、ICカード利用時の「1円単位運賃」が認められることになった。
運賃・料金改定の実施希望日は、消費税率が8%に引き上げられる2014年4月1日。消費税率引上げ分を運賃・料金に公平に転嫁することを基本に、改定率が108/105となるよう改定を行う。ICカード利用時の運賃に関して、消費税率引上げ相当分をより正確に転嫁する観点から、「1円単位運賃」を導入。きっぷの運賃やその他の料金は10円単位での改定となる。
きっぷの運賃の端数処理は、原則として「四捨五入」だが、ICカードの利用率が約8割とされる東京近郊の電車特定区間・山手線内では、きっぷの運賃が「切上げ」に。電車特定区間・山手線内の初乗り運賃(申請運賃)が、現行の130円からICカード利用時133円・きっぷ利用時140円となり、現行運賃150円の区間はICカード利用時154円・きっぷ利用時160円、現行運賃160円の区間はICカード利用時165円・きっぷ利用時170円となるなど、一部区間を除いてICカードがきっぷより安くなる。
一方、電車特定区間・山手線内を除く同社管内の幹線・地方交通線では、初乗り運賃が現行の140円からICカード利用時144円・きっぷ利用時140円となるのをはじめ、ICカードよりきっぷを利用したほうが安くなる区間も。現行運賃180円の区間では、ICカード利用時185円・きっぷ利用時190円となる。
小児運賃にもICカード利用時の「1円単位運賃」が導入され、端数処理において1円未満は「切捨て」に。きっぷ利用時の小児運賃は10円未満切捨てとなるため、現行運賃180円(小児90円)の区間では、改定後のきっぷ利用時の小児運賃が90円(大人190円)となるのに対し、ICカード利用時の小児運賃が92円(大人185円)となるなど、運賃の大小関係が大人運賃とは異なるケースもあるとのこと。
JR東日本は各駅の運賃表において、きっぷの運賃に対応するICカードの運賃を対応表にて案内するほか、電車特定区間の駅ではきっぷ利用時よりICカード利用時のほうが安くなる(一部同額)ことも案内するとしている。同社はICカードのサービス向上策として、「Suica」の販売価格を現行の2,000円から1,000円に変更し、改札外でチャージする際の最低額を、現行の1,000円から500円とすることも発表している。