女優・綾瀬はるかと俳優・松坂桃李が初めて共演する映画『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(2014年5月31日公開)が、11月29日にフランス・パリでクランクアップを迎えた。
本作は、作家・松岡圭祐の『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズ(全21冊)待望の初映画化作品。ルーヴルの臨時学芸員に選ばれた主人公・凜田莉子(綾瀬はるか)と彼女を取材する雑誌編集者・小笠原(松坂桃李)のコンビが、歴史的傑作絵画「モナ・リザ」の隠された謎に迫る。撮影は10月16日から関東近郊、新潟、東宝スタジオなどで行われ、パリでのロケは11月26日から29日まで。凱旋(がいせん)門やオペラ座前、芸術橋、ポンヌフ橋、ホテルロウゾンなどの名所のほか、日本映画史上初となるルーヴル美術館で撮影が行われた。
「モナ・リザ」が所蔵されていることでも知られるルーヴル美術館は、映画の撮影許可が下りることはまれで、本格的な撮影はトム・ハンクス主演の映画『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)以来のこと。撮影場所以外のエリアはスタッフの立ち入りが制限されるなど、厳戒態勢の中でスケジュールは進行した。また、展示物への影響を避けるために照明機材を使えなかったことや、メドゥーサ号の間では絵画を保護するための空調を止めることができなかったために録音に苦労するなど、同館ならではのエピソードも。同館を象徴するルーヴル・ピラミッドの前で全編オールアップを迎え、綾瀬は、「いぇーい!」と飛び跳ねながら松坂とハイタッチし、佐藤信介監督と抱きあうなど喜びを分かち合っていた。
当初、立ち入りを制限されていたモナ・リザの間で、自ら係員と交渉して入場許可をもらった綾瀬。「本物の『モナ・リザ』を見ることができたのが良かったです」と喜び、「少しトーンが落ちているように見えました。飾られている場所は別格で、やはり特別な絵なんだと感じられました」と間近で見たモナ・リザの感動を伝えた。そして、これまでの撮影を「あっという間の撮影期間でした。終わったんですよね? いつの間に? というくらい。そして、終わってしまって寂しいです」と振り返り、「ただ、パリでクランクアップしたことやルーヴル美術館で撮影ができて、とても貴重な時間を過ごせました」と語った。
一方の松坂も、「今日がアップという実感がなく、終わった感じがしないです。まだ明日も撮影があるのではと思うくらいです。非常に楽しい現場でした」と充実した撮影だったことをうかがわせる。「これだけの芸術品に囲まれての撮影はほぼ初めてでとても貴重な体験でした。いろいろ館内を回りたくなりました。本物の『モナ・リザ』は、表情がシュッとしてシャープな感じがしました」と思い返し、共演の綾瀬について「透明感がありすぎて、どこにいるのか分からないくらい(笑)。非常にしなやかな方だと思います。人をよく見ているし、ちゃんと物事を考えていながら、それを表面には見せないしなやかさがあるなと感じました」と絶賛した。
(C)2014映画「万能鑑定士Q」製作委員会