NHKの特集ドラマ『かつお』(18日スタート 19:30~)の完成披露試写会が11日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われ、キャストの大友康平、芦名星、梅沢富美男が出席した。
同ドラマは、被災地の様子をドキュメンタリーで放送してきたNHK仙台放送局が、東北出身の役者陣を迎えて制作した作品。震災で妻が行方不明になり、2人の子どもを育てる元漁師の"かつお"こと山村武雄(大友)。山村一家を中心に、ボランティアで東北にやってきたワケありの栞里(芦名)や漁港の長老・前島(梅沢)ら、被災地の人々を山村家の長男・裕樹(嶺岸佑樹)の目線で描く。
宮城県出身の大友は、「地元へ恩返しがしたいと思ってたから、2つ返事で引き受けました」とオファー時を振り返り、「震災から3年近く経つけど、復興は遅々として進んでいない。それでも一歩ずつ踏み出していることを、ドラマを観て感じて欲しい」と熱を持ってアピール。ドラマでは、前向きに生きる父親像を演じたが、印象に残るシーンを「奥さんの車が発見されたシーン。クランクインして3週間、息子と良い関係が築けてたから、お芝居を越えた親子の愛情が湧き出た」と、しみじみ振り返った。
一方、福島県出身の芦名は、「震災後に初めて石巻市を訪れた被災者に出会った。『怖くて足が震えてたけど、ドラマの撮影を見て元気づけられた』と言われました」と撮影中のエピソードを明かし、「仮設住宅に住んでいる方たちと触れ合うことができた。とても温かかった」とにっこり。また、「本局が作ろうとしてたら出演してなかった。仙台局と聞いて、地元の方がどんなに苦しんでいるかをリアルに表現できると思った」と語った梅沢は、「このドラマを観て『大変なことが起きたんだ』と、もう一度感じて欲しい」と想いを語っていた。