ScanSnap iX500

会議資料やプレゼン資料などは、紙で配布されることも依然として多い。これらをスキャンしてPDFデータで保管するのもいいが、仕事などで再利用したいときは、ScanSnap iX500(以下、iX500)に付属する「ABBYY FineReader for ScanSnap 5.0」(以下、ABBYY FineReader)を使ってみたい。原本そのままのレイアウトイメージでスキャンしたPDFデータを、WordやExcel、PowerPointの文書に変換できるので便利だ。これらの文書形式に変換しておけば、PDFファイルと違って編集もしやすくなる。

ABBYY FineReaderは、ロシア製のOCRソフトだ。オリジナルの「ABBYY FineReader 11」(13,650円)は、認識したドキュメントをPDFやテキスト、EPUBなどさまざまな形式で出力できる。iX500に付属しているバンドル版で変換出力できるのは、Word(DOCX)形式、Excel(XLSX)形式、PowerPoint(PPTX)形式の3種類のみというのが大きな違いだ。またバンドル版では、ScanSnapで作成したPDFのみ変換出力できる(インターネットからダウンロードしたPDFなどは変換出力できない)。

スキャンしたデータをWord/Excel/PowerPoint形式で保存

それでは、ABBYY FineReaderを利用してみよう。iX500でのスキャン時にOffice文書(Word/Excel/PowerPoint)で保存する方法と、すでに読み取り済みのPDFデータを変換出力する方法の二通りが用意されている。

まずはスキャンと同時にOffice文書を作成する方法だ。iX500に原稿をセットしてスキャンを実行すると、PCの画面にクイックメニューが表示されるので、「Word文書に変換」、「Excel文書に変換」、「PowerPoint文書に変換」のいずれかを選ぶ。

変換が終わると、出力されたOffice文書を読み込んだ状態でWord/Excel/PowerPointのいずれかが起動するので、きちんと出力されているか確認する。必要に応じて、OCR機能で誤認識されたテキストの修正などを手動で行う。ちなみに、iX500で取り込んだPDFファイルと変換後に作られた各Office文書ファイルは、デフォルトでは「ピクチャ」フォルダに保存される。

スキャンを実行し、クイックメニューから「Word文書に変換」、「Excel文書に変換」、「PowerPoint文書に変換」のいずれかを選ぶ

変換の進捗状況が表示される

変換が完了すると、アプリケーションが起動。写真の例では、2段組みレイアウトで作成した文書を読み取ってみた。レイアウトを維持したまま、見出し付きのWord文書が作成された