1968年12月10日に発生した三億円事件の真相に迫ったフジテレビ系のドキュメンタリードラマ『独占追跡! 三億円事件"最後の告白者たち" ~真犯人の影…45年目の新証言~』(21:00~23:10)が、21日に放送される。

三億円事件容疑者として当時公開されたモンタージュ写真

本作は、2020年の東京オリンピック開催に向けて、1964年の東京五輪からの50年を振り返る大型シリーズ企画「1964-2020 時代の目撃者」の第1弾。当時47歳で現場の最前線で捜査にあたった警視庁捜査一課主任警部・鈴木公一(現在92歳)の証言を元にした再現ドラマをベースに、2008年に放送され17.2%の高視聴率を記録した『新証言! 三億円事件 40年目の真相』以降に得た新証言を交えながら、事件の真相を追う。東京の府中・新宿・立川、マニラ、ハワイの3カ国で取材を重ねる中で、新たな事実が浮かび上がった。

今から45年前の1968年12月10日9:15、未明から降りはじめた雨の中、一台の現金輸送車が日本信託銀行国分寺支店から東芝府中工場へ向かおうとしていた。4人の銀行員が運んでいたのは、工場で働く4,523人分の冬のボーナス3億円(現在の貨幣価値に換算すると約20億円)が詰まった3つのジュラルミンケース。その6分後の9:21、彼らの前に白バイ警官が現れ、左手を水平にあげて停止を要求される。白昼堂々、ニセ警官に扮した強奪事件に、国内にとどまらず世界中が驚がくした。犯人が残した遺留品は153点、捜査員は延べ17万1,805人。捜査費用は被害額の3倍にあたる約9億円が投入されたにもかかわらず、事件は未解決のまま現在に至った。

事件直後に浮かび上がり、最後まで捜査線上から消えなかったのが、不良少年グループ"立川グループ"の元メンバーたち。重要参考人で自殺した少年の家族とも親しかった元メンバーの1人は、今回の取材で誰も知らなかった家族の悲劇を明かし、別のメンバーは事件後にハワイへ移住した仲間について、初めてその詳細を語る。さらに立川グループのメンバーから兄貴分と慕われ、彼らのたまり場だったスナックのマスターをマニラで発見。45年間、秘め続けてきた彼の口から語られた証言は、驚がくの内容だった。そして、事件直後に金持ちになった人物の居場所も突き止めるなど、戦後犯罪史上最大のミステリーとも言われる事件の真相に迫っている。

鈴木刑事を演じた俳優・石黒賢は、「子供心ながらに引きつけられる事件だなと感じていた」と幼少期を振り返る。中でも、「不良グループのメンバーたちが“たまり場”にしていたバーのマスター」の存在が気になるようで、「その人物が事件に実際関わっているかは知りませんが、彼らの謀議を間近で聞いていたとしたら、事件の真相を知っているはず・・・、と想像すると興味がわきますね」と語っていた。