財務省は9日、2013年10月の国際収支(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1,279億円の赤字となり、9カ月ぶりに赤字に転落した。円安で原粗油など燃料の輸入額が増加し、貿易収支の赤字幅が拡大したことが影響した。

貿易・サービス収支は1兆4,055億円の赤字で、赤字幅は前年同月と比べて6,388億円拡大した。赤字は19カ月連続(季節調整値ベースでは32カ月連続の赤字)で、10月としては過去最大。

貿易収支は1兆919億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で6,406億円拡大。赤字は16カ月連続で、こちらも10月としては過去最大となる。自動車や有機化合物を中心に輸出が増加したものの、原粗油や半導体等電子部品を中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。

輸出額は前年同月比8,837億円増の5兆8,332億円で、8カ月連続の増加。輸入額は同1兆5,243億円増の6兆9,251億円で、12カ月連続の増加となった。

経常収支(出典:財務省Webサイト)

また、同省関税局がまとめた2013年10月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比9,564億円増の6兆1,044億円となった。主要地域別では、対米国が同2,436億円増、対中国が同2,010億円増など。商品別では、自動車が同2,283億円増、鉱物性燃料が同664億円増、有機化合物が同601億円増などとなった。

輸入額は前年同月比1兆4,928億円増の7兆1,970億円。主要地域別では、対中東が同4,517億円増、対中国が同2,983億円増などとなった。商品別では、原粗油が同4,885億円増、液化天然ガスが同1,649億円増、半導体等電子部品が同788億円増などとなった。

サービス収支は3,137億円の赤字で、赤字幅は前年同月より18億円縮小した。その他サービス収支が赤字幅を拡大したのに対し、訪日外国人旅行者数が増加するなどして輸送収支、旅行収支が赤字幅を縮小したことが要因。

所得収支は1兆3,615億円の黒字で、黒字幅は前年同月より1,132億円拡大した。黒字幅の拡大は2カ月連続。配当金・配分済支店収益の受取増加などにより証券投資収益が増加したことに加え、債券利子等の受取増加等により証券投資収益も増加したことによるという。

一方、資本収支は4,073億円の流入超となった(前月2,133億円の流入超)。