ゼネラルモーターズ・ジャパンはこのほど、フルモデルチェンジしたハイ・パフォーマンス・スポーツカー「シボレー コルベット」、ラグジュアリー・セダン「キャデラック CTS」を同時に発表した。都内で記者会見も行われ、新型モデル2台がアンベールされた。

「シボレー コルベット」「キャデラック CTS」の2台を同時に発表

日本外国特派員協会での記者会見に、ゼネラルモーターズ・ジャパン代表取締役社長、石井澄人氏(写真中央)が出席した

第7世代となる新型「シボレー コルベット」

新型「シボレー コルベット」は、今年1月にデトロイト・モーターショーで発表されて以来、世界中から注目を集め続けているハイ・パフォーマンス・スポーツカー。1953年に初代が登場してから60周年というアニバーサリーイヤーに、第7世代へと進化した。従来のモデルから受け継いだのはたったふたつのパーツのみとのことで、ほぼすべてが一新されたと言っても過言ではないだろう。

エクステリアは、「ジェット戦闘機のキャビン」と「エイ」をテーマにデザインされたという。ル・マン24時間レースをはじめとするレースの経験も、エアロダイナミクス・デザインに生かされているそうだ。実車を見学して、おなじみのロングノーズが「シボレー コルベット」の系譜を感じさせながらも、空気を切り裂いて音速飛行する戦闘機の機能美に通じる、先進的なフォルムが打ち出されていると感じた。

エレガントなフォルムと機能的なディテールをあわせ持つエクステリア。性能を追求し、風洞の中でボディ表面を削りながら開発したという

高精細デュアルスクリーンの目立つインテリア。他にカラー・ヘッドアップ・ディスプレイも装備され、ドライバーをアシストする

カーボンファイバー製ボンネットの下には、新開発6.2リッターV8エンジンを搭載。気筒休止システムの採用などにより燃費も優れる

インテリアはドライバーとの一体感を生み出すように設計されたという。ジェット戦闘機に着想を得た、ドライバーを包み込むようなコクピット形状や、よりダイレクトな操縦感覚となる小径ステアリングホイールの採用などが、そのコンセプトを物語っていた。

新開発のOHV6.2リッターV8エンジンは、最高出力343kw(460ps)、最大トルク630N・m(64.2kg・m)を発生(「シボレー コルベットクーペ Z51」「シボレー コルベットコンバーチブル Z51」)。クルージング中にはV4として作動し、燃費効率を高めるなどの先端技術も盛り込まれている。

記者会見にて、ゼネラルモーターズ・ジャパン代表取締役社長の石井澄人氏は、「コルベットはいまだにOHVにこだわっている。ただし、気筒休止も採用している」と述べ、伝統と先進性の融合をアピールした。第7世代「シボレー コルベット」は、「クーペ」(2014年4月12日から販売予定)と「コンバーチブル」(2014年5月24日から販売予定)の2タイプが導入され、それぞれ「Z51」というスポーティなグレードが設定され、全4モデルの展開となる。価格は918万2,000円から。

「キャデラック CTS」はより低く、より長く

111年の伝統あるラグジュアリーブランド「キャデラック」のミドルサイズセダン、新型「キャデラック CTS」も初披露された。従来モデルと比べて全長が100mm長くなり、ルーフラインやフードライン、ウィンドシールド基部は約25mm低くなっているとのこと。より堂々とした、高級感のあるプロポーションが実現されていると感じた。

新型は従来型と比べて、全長はより長く、全高はより低く、そして全幅はちょっぴりスリムなプロポーションとなった

歴代モデルの縦型ヘッドランプを受け継ぎつつ、LEDがフェンダーやバンパーへと連なる印象的なデザイン

本革巻のステアリングホイールはヒーター付。また、本革シートは電動調節式(メモリー付)。どちらも標準装備だ

室内もラグジュアリー感はあふれていて、カーボンファイバーのインテリアトリムや、職人による手仕上げの本革シートなどが装備されている。なお、新型「キャデラック CTS」はこのほど、米国「モータートレンド」誌の2014カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。選考理由として、エンジンのレスポンスをはじめ、なめらかな乗り心地とスポーティなハンドリングのバランスについて、審査員から言及があったという。走行性能も期待してよさそうだ。

「キャデラック CTS」は2014年4月12日から販売開始される予定。2グレードを導入し、「キャデラック CTS ラグジュアリー」が599万円、「キャデラック CTS エレガンス」が699万円となっている。