「友達の数」は大きく増えたが「多いほどよい」と考える人は半減

博報堂生活総合研究所は4日、翌年以降の生活者動向を予測する調査レポート「生活動力2014」を発表した。同予測は、同研究所による「生活定点」調査(調査データ数3,232)、「インフラ友達アイデア評価調査」(調査データ数3,448)など各種のデータを元に分析考察を行ったもの。

1人あたりの友達数は増加。友人は多いほうがいいと考える人は半減

「生活定点」調査によれば、1992年から2012年までの20年間で「将来の保障(年金・保険など)」への満足度は15.5%から3.8%に大きく減退。また「経済的繁栄」も3分の1以下(45.4%→13.7%)に、「社会の安定」2分の1以下(39.7%→18.5%)に下落した。

また、この15年間で晩婚化や未婚化が進行。総務省「社会生活基本調査」によると、日本人(10歳以上)1人当たりの1日における「1人で過ごす時間(睡眠除く)」の平均値は、1996年から2011年までの15年間で約30分(4時間49分→5時間20分)伸び、単独行動が増えた。

SNSの発展などにより、「友達の数」はこの20年間で増え続けている。一方、「生活定点」調査によれば、この世相とは逆行するかのように「友人は多ければ多いほどよいと思う」という回答率は、約6割から約3割へと半減した。

友達は「人脈拡張」から「使える友達の選別」へ

インフラ友達「欲しい率」ランキング上位10位

同レポートでは、生活者は日々の暮らしの土台を支えあえるかどうかという視点で友達を選別し、改めて信頼できる人間関係を再構築しようとしていると分析。暮らしの土台を支えあい交わり、生活の骨格となるような友達を「インフラ友達」と設定した。

同レポートでは、「インフラ友達アイデア評価調査」に基づき、「大災害時に、避難所的に受け入れてくれる『避難所友』」が欲しい率が55.0%、「生活の質を上げる知恵を教えてくれる『教友』」が欲しい率が52.6%、「生きるのがつらいときに活力を与えてくれる『命友』」が欲しい率が49.9%など、「インフラ友達」の欲しい率ランキングを発表している。

詳細は「博報堂のニュースリリース」で確認できる。