東京海上日動火災保険(以下東京海上日動)は3日、メザニン投資を専門に行う「東京海上メザニン」を100%子会社として11月22日付で新設したと発表した。今後、東京海上メザニンは、年金基金等の国内機関投資家から資金を募り、国内企業を投資対象としたメザニンファンドの組成を開始。なお、東京海上日動は同メザニンファンドに100億円の出資を行う予定。
メザニンとは、通常の借入(銀行ローン)と資本(普通株式)の中間に位置する資金調達手法の総称であり、主にバイアウト(企業買収)ファンドや事業会社による企業買収の資金調達に活用されているという。メザニンは、優先株式、劣後ローン、劣後社債といった形態を採ることが一般的で、いずれも、議決権の希薄化を原則として生じさせない性質の資金調達手法だという。銀行ローンよりも返済・償還順位が劣後するものの比較的高水準の利息・配当(インカム)が付されており、ミドルリスク・ミドルリターンの投資特性を有してるという。
東京海上日動は、これまで自己資金を用いたメザニン投資活動を行っていたが、年金基金をはじめとした国内機関投資家においてインカム型のミドルリスク・ミドルリターン分野への投資ニーズが高くなっていることや、国内経済の回復による企業買収件数の増加に伴いメザニンに対する需要も今後大幅に拡大することが見込まれるといった背景を踏まえて、東京海上メザニンを新設することとした。
東京海上日動は、国内でバイアウトファンドが投資活動を開始した1990年代後半よりメザニンを中心とした買収ファイナンスを供給しており、メザニン投資のパイオニアとしての実績・評価を確立してきたという。これまでに、国内最古参のメザニン投資家として多数のメザニン案件に投資を実行し、良好な投資パフォーマンスを残しているという。東京海上メザニンは、東京海上日動でメザニン投融資業務に従事していた社員にて運営し、東京海上日動で培った投資哲学や戦略、ネットワークを継承していくとしている。