ファイリングソフトを使おう
書類をスキャンして整理することと、スキャンしたデータを活用することは違う。ScanSnapがあれば書類を簡単にデジタル化できるが、それだけで満足し、データを放置してしまうケースも意外と多い。紙の書類をデジタル化して部屋のスペースを確保できれば、データがデッドストック化しても構わないという考え方も、もちろんある。だが、取り込んだデータをファイリングすることで、もっと使いやすくなるとしたらどうだろう。ScanSnapでデジタル化した書類のPDFファイルなどを、まとめて管理できる「楽2ライブラリ Smart with Magic Desktop」(以下、楽2ライブラリ)は、まさにそのようなソフトだ。
楽2ライブラリは、単品で購入すると18,000円するパッケージソフトだが、ScanSnap iX500(以下、iX500)とのセットモデル「ScanSnap iX500 Deluxe」が用意されている。iX500を単体で買うより少し割高になるが、楽2ライブラリの価格を実質5,000円ほどにおさえられるので、これから購入するならこちらがお得だ。
また、楽2ライブラリには、はがきの整理(特に年賀状)に役立つ機能がたくさんある。詳細は後半で紹介するとして、年賀状をスキャンして電子ファイリングする機能もそうだが、お年玉付き年賀はがきの当選番号を自動で調べてくれるのだ。年賀状を捨てるのは抵抗があるし、バインダーに入れて保管するのもスペースを取る(しかも年々けっこうな勢いで増える)。それなりにきちんと整理していないと、去年は誰からもらったか思い出せなかったり、昔の年賀状だと劣化も気になったりするだろう。年賀状をiX500でスキャンして楽2ライブラリで管理すれば、年賀状に関する積年の悩みも解決できるというわけだ。
楽2ライブラリの特徴
前置きが長くなったが、まずは楽2ライブラリを簡単に紹介しておこう。楽2ライブラリは、作成した書類を保管、閲覧するための「楽2ライブラリ Smart」(書棚)と、スキャンしたデータを整理、編集するための「Magic Desktop」(机)という2つのソフトで構成されている。楽2ライブラリ Smartは、リアルなグラフィックの電子書架(キャビネット)を備え、現実でバインダを扱うのに近い直感的な使い勝手を実現している。Magic Desktopは、ScanSnapで取り込んだPDF、写真、メモなどをラベルで分類整理して、まとめてキャビネットへ送信できるソフトだ。
ScanSnapシリーズに標準付属する管理ソフトの「ScanSnap Organizer」は、PDFをファイル単位で管理するが、楽2ライブラリは「バインダ」単位で管理するのが大きな違いだ。バインダには、ScanSnapから取り込んだPDFのほかに、Officeファイルや画像、テキストなどを含めることができる。ページを切ったり貼ったり、マーカーや付箋紙、メモやスタンプを付けたりといった編集機能を備え、関連性のある情報を自由にまとめられるのが特徴だ。
また最近は、スマートフォンやタブレットなどで書類データを持ち運ぶ機会が増えている。せっかく書類を整理しても、楽2ライブラリをインストールしたPCでしか使えないと便利さ半減だが、楽2ライブラリなら安心だ。専用アプリと連携し、ファイリングしたデータを手軽に持ち出せるモバイル連携機能などを持つ。このほか、好きなページをPDFに変換してメールで送信したり、ページの編集機能で挿入した付箋紙やスタンプを表示したまま印刷を行ったりと、データをさまざまな方法で活用できる仕組みが用意されているのだ。