スマートフォンやタブレットは、シニア世代を含む幅広い層に普及してきている。また、スマートフォンなどをまだ利用していない人でも、使ってみたいという興味や関心が高まっており、今後もさらなる普及が予想される。12月に入り、クリスマスシーズンが近づいてきたが、シニア世代の親にスマートフォンやタブレットをプレゼントしようと考えている人も多いかもしれない。

たとえば、MNPを利用して親子で同じキャリアのスマートフォンを購入すれば、無料通話などを使ってコミュニケーションが密になり、料金面でも家族割引などのメリットがあるほか、さらにスマートフォンで生活が便利になるなど、二重にも三重にも親孝行になりそうだ。そこで今回、マイナビニュースでは、スマートフォンやタブレットを利用している親がいる男女を対象に、親のスマートフォン・タブレットの利用実態についてアンケート調査を実施した。本稿では、シニア世代のスマートフォンやタブレットの利用について見ていくとともに、使いこなしにはどのようなサポートが必要なのかについて考えていきたい。

親のスマホ利用によってコミュニケーションは変化するか?

同調査では、スマートフォンやタブレットを利用している親がいる、首都圏在住の20代から40代の男女198名を対象に実施。親のスマートフォンやタブレットの利用、それらを手助けした経験などについて質問した。その結果、スマートフォンやタブレットの使い方について、普段から親に助けを求められることのある人は47%と約半数になった。また、端末を使ってコミュニケーションが密になるかどうかは、親の使いこなしが大きく影響することが明らかになった。

結果を詳しく見てみると、まず、親にスマートフォンやタブレットをプレゼントしたことがあるかを聞いたところ、「ない」が68.7%、「ある」が13.1%となったほか、「プレゼントしたことはないが薦めたことがある」が11.1%、「プレゼントしたい。または検討している」が7.1%となった。実際に端末をプレゼントしたり、薦めたことがある人、検討している人は少数となったが、それらの人にプレゼント等の理由を複数回答で尋ねたところ、「メールやビデオ通話を使って、家族のコミュニケーションを密に取るため」「今の時代に必要なデバイスで、生活していくうえで使いこなすことができた方が良いから」が最も多く、ともに50%だった。なお、自身に子供がいる人に限定すると、「メールやビデオ通話を使って、家族のコミュニケーションを密に取るため」と答える人の割合が多くなり55%に上った。

しかし、親のスマートフォンやタブレットの使いこなしに関しては、「使いこなしている」は11.1%にとどまり、「やや使いこなしている」を合わせても35.3%と、十分使いこなせているとは言えない状況のようだ。40代回答者の親に至っては、「やや使いこなせていない」「全く使いこなせていない」を合わせると、42.4%にまで上る結果となった。

また、親が端末を持ったことによる、親子のコミュニケーションの変化については、全体では「特に変わらない」が77.3%、コミュニケーションが「密になった」が20.7%という結果になったが、子供がいる人に限定すると「密になった」と答えた人が32.1%に上った。一方、使いこなしと合わせてコミュニケーションの変化を見てみると、親がスマートフォンを使いこなしている人では、コミュニケーションが「密になった」と答えている人が59.1%にまで上った。端末の用途や、親の使いこなしの程度によって、コミュニケーションの質や量が異なってくることが明らかになった。

シニア世代のスマホトラブルの解決方法と、キャリアのサポート

同調査で、親からスマートフォンやタブレットの使い方に関して、助けを求められることがあるかを尋ねたところ、「頻繁にある」または「たまにある」と答えた人は、全体の半数近い47%となった。また、助けを求められた場合には、「直接教える」(50.4%)、「電話で教える」(23.6%)、「帰省した際などに教える」(18.1%)といった自身で教えるという回答が多かった。一方、「特に手助けはしていない」と答えた人は7.9%となり、それらの人に理由を尋ねたところ、「教える時間がなかったから」(60%)、「人に教えられるだけの知識がなかったから」(30%)という結果となった。

マイナビニュースでは以前、シニア世代のスマートフォン利用について座談会を開催したが、座談会でも親のスマートフォンのトラブルをどう解決するかが取り上げられ、「生活する時間帯が違うために即座に回答できない」「正確で的確なアドバイスをすることが難しい」といった声が聞かれた。多くのユーザーが何らかの形で手助けをしたいと考えているものの、満足の行く手助けができていない実態もあるようだ。

また、今回の調査では、今後シニア世代のスマートフォン、タブレットユーザーが増加すると予想されることを受け、サポートサービスが必要だと思うか聞いたところ、74.7%の人が何らかのサポートが必要と考えていることがわかった。必要と考えられるサポートに関しては、「家族や身近な人によるサポート」が最も多く45.5%、次いで、キャリアによるサポート(40.4%)、販売店によるサポート(36.9%)が挙げられ、家族だけでなく第三者のサポートが必要と考えている人も多いことがわかった。

第三者のサポートとして、最初に思い浮かぶのがキャリア各社によるサポートだろう。ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの各キャリアは、自社で販売するスマートフォンやタブレットのユーザーを対象として、使い方などのアドバイスを受けられるサポートサービスを提供している。

現在、最もサービスを充実させているのはauで、会員制サポートサービス「auスマートサポート」では、専門チームからのアドバイスを24時間受けられる電話サポートをはじめ、自宅への訪問サポート、購入前のスマートフォンをレンタルして試すことができる「スマホお試しレンタル」などを提供。同サービスは、ギフトとして人に贈ることも可能。親にスマートフォンやタブレットを使いこなしてほしいが、自身では教える時間や知識がないといったユーザーにも最適だ。

なお、他キャリアもサポートサービスを提供しており、ドコモはAndroidスマートフォンやタブレットなどのユーザーを対象として、遠隔サポートやセキュリティ対策、故障時の補償をまとめた「あんしんパック」を提供している(iPhoneユーザーは対象外)。また、ソフトバンクは、同社のスマートフォンのほか、パソコンなども対象として、電話サポートや出張サポートを実施する「ケータイなんでもサポート」を提供している。

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スマートフォンやタブレットの利用がシニア世代にも広がる中、それらの端末を利用して親子でコミュニケーションを円滑化したいと考えている人も多いだろう。しかし、コミュニケーションの質や量を変化させるには、親の使いこなしが重要となるが、スマートフォンの使い方などを自分で教えるのはなかなか大変だ。

そこで活用したいのが、キャリアによるサポートだ。特にギフトとしても贈れる「auスマートサポート」は、今回の調査結果からも、スマートフォンを今ひとつ使いこなせていない親がいるユーザーには、マッチしているサービスと言えるだろう。シニア世代を親にもつ人は本稿で紹介した各キャリアのサポートサービスの導入を検討してみるとよいだろう。