サザンオールスターズの桑田佳祐が11月30日からの4日間、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールで「昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦」を開催した。
2008年に続いて2度目の「ひとり紅白」となった今回は、4日間で約2万人を動員。約4時間にも及ぶステージで、1930年代から現在に至るまでの全55曲もの名曲を、紅組と白組を交互に披露した。「東京ラプソディ」「銀座カンカン娘」からスタートしたステージは、GS・ビート歌謡対決、フォーク・ソングからニュー・ミュージック対決、昭和歌謡大ヒットメドレーなどと、コーナーごとにテーマを設けて展開。ザ・タイガース、イルカ、尾崎豊、槇原敬之、松任谷由実、西郷輝彦、西城秀樹、由紀さおり、都はるみ、坂本九、ちあきなおみ、平原綾香、いきものがかり、斉藤和義など、さまざまなタイプの歌手の曲を歌い上げた。
また、内山田洋とクールファイブのメンバー全員になりきったり、ザ・ドリフターズのメドレーではサザンオールスターズのメンバーが登場したり、沢田研二の「TOKIO」ではパラシュートで空中遊泳を披露したりと演出面も多彩。本編の最後では、東京オリンピックの開催が決定したことで元気を取り戻した90歳のジジイ・ガガに扮してレディ・ガガの「Born This Way」を歌い、そこから三波春夫の「東京五輪音頭」でメドレーでつなげ、会場を盛り上げた。アンコールでは、「アンパンマンのマーチ」と「愛のさざなみ」で、今年亡くなったやなせたかしさんと島倉千代子さんを悼み、小林幸子をほうふつとさせる巨大衣装で美空ひばりの「川の流れのように」、そしてラストは和田アキ男に扮しての「笑って許して」で締めくくった。
1993年にスタートしたエイズ啓発活動AAA(Act Against AIDS)の一環として行われた今回の公演。桑田佳祐としてのAAAコンサートは、2009年の「映画音楽寅さん チャラン・ポランスキー 監督・脚本・主演"男はしたいよ"」以来4年ぶりのことで、例年コンサートの収益金は、全国の中学や高校、保健所などに配布される啓発パンフレットの制作費に使用されている。