公的年金の積立金を市場運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はこのほど、2013年度第2四半期(7~9月期)の運用結果が3兆2,418億円の黒字になったと発表した。黒字は5四半期連続で、過去最長となる。

黒字額の内訳は、国内債券が7,354億円、国内株式が1兆1,560億円、外国債券が1,979億円、外国株式が1兆1,126億円だった。

運用利回り(収益率)は2.71%で、第1四半期(4~6月期)の1.85%から0.86ポイント上昇。9月末時点の運用資産額は、前期の121兆116億円から123兆9,228億円に増加した。

運用状況の概況(出典:年金積立金管理運用独立行政法人Webサイト)

運用資産別の収益率は、国内債券が1.18%(前期マイナス1.48%)、国内株式が6.07%(前期プラス9.70%)、外国債券が1.64%(同4.01%)、外国株式が7.13%(同6.14%)となった。

各資産の運用環境を見ると、国内債券については、日本銀行による国債買い入れオペが需給の下支えとなり、利回りは低下(債券価格は上昇)した。国内株式については、9月に入り、FRBが量的緩和縮小を行わなかったことや、2020年東京オリンピック開催決定を背景に上昇した。

外国債券については、利回りは小幅な上昇(債券価格は下落)となったが、ユーロ等の上昇により円ベースの収益率は小幅な増加。外国株式については、9月に入り、欧州債務問題の鎮静化などにより企業や消費者のマインドが改善したため、上昇した。