北欧のオフィスでは目にすることも多いという、スタンディング・スタイルのデスク。オフィスのトータルインテリアデザインなどを手がけるスカンジナビアン モダンは、その利点を発表している。

メリットは健康面だけじゃない

古くはへミングウェイも!

そもそもスタンディング・スタイルのデスクとはどのようなものか。簡単に説明すると、座る・立つの動作をボタンひとつで調整できるデスクのことで、その時の気分や仕事内容に合わせて、自由にデスクをデザインできる。時代を遡ってみると、ノーベル文学賞作家であるアーネスト・へミングウェイや、第3代アメリカ合衆国大統領のトーマス・ジェファーソンなども愛用していたと言われている。

スカンジナビアン モダンは、「Sit&Stand(R)デスク」(27万3,000円~46万4,100円(L型)/1台)というスタンディング・スタイルのデスクを展開しているが、どのような効果が期待できるのか、スタンディング・スタイルのデスクのメリットを下記のように述べている。

上司が立っていたら声をかけてもOK!?

1)ダイエットや健康維持に
「エコノミー症候群」という言葉もあるように、座りっぱなしは健康にダメージを与え、寿命も縮めるとされている。実際、適度に立つことで健康被害から免れることが、人間工学的な点からも実証されている。パソコンの前で長時間座ったまま仕事をしているヘビーワーカーなどに多い目の疲れや肩こり、頭痛、腰痛、ストレートネックなどの症状を軽減することも可能となる。また、立つことで座り続けている時よりもカロリーを消費でき、脂肪も燃焼できる。ランチ後の30分は毎日立って仕事をするなど、食後の簡単なエクササイズも習慣化しやすくなる。

2)生産性の向上
クリエイティブな仕事や計算などひとりで集中したい時は座って、スタッフとの意見交換や報告、資料の仕分けなどの時は立つことが多いので、仕事にメリハリがつく。北欧では「上司が立っている時は話しかけてもよい」が、暗黙の了解になっているほどだという。腰痛や疲労が軽減され、適度な頻度で身体のポジションが変えられるので気分転換もでき、集中力が高まって生産性が向上するとされている。

3)コミュニケーションの活性化
スタッフたちとのブレインストーミングは座って行うよりも、立って行った方が短時間で活発な意見やアイディアが出やすいとされている。立ちながらみんなでコーヒーブレイクなどの時間も取りやすくなり、職場の会話もはずみやすくなる。また、座った上司の前に立たされる社員というシーンも少なくなり、フラットで明るい雰囲気で会話がはずみ、チームワークを最大限に発揮できる。

そのほか、北欧デザインというスタイリッシュさや仕事環境を見直す企業の取り組みもあり、「Sit&Stand(R)デスク」の販売数は対前年比で140%で推移している。スタンディング・スタイルのデスクそのものに関しても、最近では米国・シリコンバレーに拠点を置く企業のクリエイターも使用する人が増えているなど、新しい仕事の形として注目されているようだ。